10年で発行枚数は4倍、ローン残高は35倍に
中国最大のオンラインクレジットカード管理プラットフォーム「51クレジットカード」が明らかにしているところによると、カード所有者の借入金のうち、「不良率」(返済期限超過90日以上)は6~10%の間である。これは、多くの人が直感的に感じている割合をはるかに超えている。
一方、ここ数年、各大手銀行もクレジットカード市場のうまみに着目し、カード発行に狂奔した。その結果、2008~2017年の10年間に、カード発行量は1.42億枚から5.88億枚と4倍増となった。これに伴い、同期間のカードローン残高は1582億元 (約2兆7000億円)から5.56兆元(約95兆円)へと、実に35倍に急増した。
しかも、中央銀行が発表した最新情報によると、この狂奔はさらに激しさを増しているようだという。
ここで思い起こされるのは、やはり米国のサブプライム危機だ。危機が勃発する前に、多くのローンによる住宅購入者が銀行の差し押さえを避けるために、クレジットカードで月々の返済を行い、2007年の全米の5、6月のクレジットカード残高の伸び率は年率換算で11%に達し、それは5年来で最高の伸び率だった。
「現在の中国が2007年当時の米国の状況に似ていて、危機勃発の前夜の状態にある」と、中国国内であえて口にする人は、当然のことながら少ない。しかし、増え続ける期限超過クレジットカードのローン残高が、リスク到来の可能性を示しているのは間違いない。
(在北京ジャーナリスト 陳言)