創業家の関連企業への融資めぐる疑惑も浮上
今回の調査結果は、2018年2月に融資をめぐる審査書類の改ざん疑惑が表面化したことをうけ、5月に設置された第三者委がまとめた。これまでの社内調査でも、広範に書類改ざんなどの不正が行われていた可能性が浮き彫りになっていた。
金融庁は、4月からスルガ銀に立ち入り検査を行っており、今回の第三者委調査結果も踏まえて行政処分を検討する。今回の報告書発表と同じ日の9月7日、麻生太郎金融相は会見で、スルガ銀の行政処分の可能性について「内容次第だ」と述べた。
この発表のわずか3日前の4日には、日経新聞朝刊が「創業家系に500億円融資」「スルガ銀、実態のない企業にも」と、創業家の関連企業にスルガ銀が500億円弱を融資していることが分かった、と報じた。翌日の朝日新聞報道では、創業家親族らが役員を務める複数の会社に行った多額融資のなかに使途不明のものがあり、創業家側に流れていた可能性もあると指摘している。
金融庁は、立ち入り検査を通じてこうした融資の動きも把握している模様で、行政処分を視野に実態解明を進める。