過去のケースを調べると
「おいちゃん」の愛称で知られる車竜造役の下条正巳さんが2004年に、「おばちゃん」の愛称で知られる車つね役の三崎千恵子さんが12年、くるまやの裏に工場を構えるタコ社長を好演した太宰久雄さんが1998年に亡くなっている。
シリーズ48作に登場した最重要人物でもあるこの3人の不在が大きな問題となるのは間違いない。
おいちゃん役は過去に2度交代している。初代の森川信が72年に病没。その後、松村達雄さんが演じたのち、下条正巳さんが最後までおいちゃん役を務めた。しかし、過去の作品から映像を使う際、柴又・くるまやのシーンではほぼ必ず登場するため、新作映像で新たに俳優を起用してしまうのは、配役にズレが生じてしまうため非常に難しい。
下条さんや三崎さん、太宰さんとも仮に存命であっても90歳代~100歳代であるため、劇中において亡くなってしまった設定にしてもおかしくはない。
また、93年に公開された「寅次郎の縁談」では題経寺(柴又帝釈天)の御前様を演じる笠智衆さんが亡くなってしまったため、彼の娘である冬子が登場し、近況を報告するという場面があった。このように柴又から離れた場所で暮らしているという設定にして、登場しないようにする設定もあり得る。
最後の撮影から大幅に変わってしまった「男はつらいよ」のキャスト事情に山田洋次監督はどのようなシナリオを用意するのか。
(J-CASTニュース編集部 大山雄也)