北朝鮮宣伝から「先軍」が消えた 壁塗りつぶしてまで隠したい理由

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「先軍節」社説でも「金正日総書記の」を強調

   その背景にあるとみられるのが、核開発と経済建設を両立させる「並進路線」の終了だ。

   北朝鮮は13年の朝鮮労働党中央委員会総会で、「並進路線」を打ち出して、17年に大陸間弾道ミサイル(ICBM)の発射に成功したとして「国家核戦力の完成」を宣言。18年4月20日の同総会で併進路線を終了して経済成長に重点を置くことを決定。これにともなって、労働新聞をはじめとする国営メディアからは「核強国」といった単語が姿を消し、7~8月にかけて金正恩・朝鮮労働党委員長が国境地帯の工場を現地指導する様子が多数報じられるようになった。

   北朝鮮が「先軍節」と位置付ける8月25日付の労働新聞では、「金正日総書記の先軍指導業績を 社会主義強国建設の誇らしい勝利に輝かせていこう」と題した社説を掲載。故・金正日総書記が「先軍政治」を推進したことを称賛する一方で、正恩氏については「(人民が正恩氏の)まわりに固く団結して社会主義強国建設の最後の勝利」を収めることの重要性を強調。「先軍」が、あくまで先代のスローガンだという点を強調した形だ。

   ただ、北朝鮮は9月9日の建国70周年記念日を控えており、米国の北朝鮮分析サイト「38ノース」が、大規模な軍事パレードの準備が進んでいるとする衛星写真の分析結果を発表している。このパレードの内容によっては、「先軍政治」と決別したかどうかの「本気度」が問われることになりそうだ。

(J-CASTニュース編集部 工藤博司)

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