生活の鬱憤を晴らそうとしている可能性も
高橋氏は「長谷川さんも決して悪気はなかったはず。過剰反応だと思います」と指摘。その上で、
「実際、炎上に関わっている人がごくわずかであることは、これまでの統計で明らかになっています。積極的に投稿する一部の人たちが、ネット上で『炎上』の空気を醸成した後、メディアやまとめブログが拡散してしまうのです」
と、炎上の流れを説明した。具体的には、以下のようなものだという。
「最初に火をつけるのは、『ソーシャル・ジャスティス・ウォリアー』と呼ばれる人たち。ネット上で、ある種の正義感を振りかざす人たちです。芸能人を隙あらばと、徹底的に攻撃することで、自らの満たされない生活の鬱憤を晴らそうとしている可能性が高いです。
ネット上のごく限られた世界で暮らしている人たちが、そのような言説を正しいと思い込み、炎上に加担する。こうして『不謹慎狩り』は大きくなっていくのです」
続けて、高橋氏は「『不謹慎狩り』が目立つようになったのは、ツイッターが力を持ち始めてから」と説明。「初期のツイッターは、お互いが自由に言論を戦わせる場でしたが、広く普及するに従い、次第に一部の人が声を大にしてモノを言う場となってきています」と、ツイッター言論の変遷を指摘した。
「11年の東日本大震災の時、『不謹慎狩り』はあまりなかった。16年の熊本地震前後から、広がりをみせたのではないでしょうか」
9月6日の北海道地震以後、長谷川さんの他にも、多くの芸能人がSNSで被災地に応援の言葉をおくっている。投稿する際、どんなことに気をつけるべきなのか。高橋氏に聞くと...
「被災地と関わりのある方は、SNSで何らかのコメントを発信されるとよいでしょう。ファンの方は、そうした投稿に励まされます。ただ無関係な投稿をすると、今回のように不必要に攻撃を受ける可能性もあるので、一言か二言『早い復興をお祈りいたします』と書くべきです。もちろん、しばらく発信を控えるのもアリだと思います」