女優の松岡茉優さんが2018年9月5日、東京都内で開かれたトヨタホームの新CM発表会に出席した際、自宅についての驚きの状況を明かした。
「実家から持ってきて、これだけは捨てられないもの」という質問に対し、松岡さんは「いっぱいありますね。物があふれているから引っ越すとなると大変です」と、業者に驚かれるレベルであることを公表。書籍や雑誌は大量に保管しているほか、一般的には読み捨てられることが多いマンガ雑誌も、最終話が掲載されていたり、自身がファンのモーニング娘。の写真が表紙に掲載されていたりするものは保存しているという。
「思い出」「エピソード」にこだわるタイプ
「引っ越しの際は大変」という自覚がありながら、ついつい物を取り置いてしまうという松岡さん。似たような心境になる方も多いのではないだろうか。後々苦労すると分かっていても物を保存してしまうその理由について、心理学博士の鈴木丈織氏は以下のように指摘する。
「本来不要であるはずの物を取り置いてしまう心理として考えられるのは、『今は使わないが、何かの折に使えるはずだ』という使用機会への執着がある場合、頂き物や記念品などにまつわる思い出やエピソードを大切にしすぎるがゆえに捨てられなくなる場合、何らかの病気である場合などが考えられます。松岡さんの場合は物品についての思い出やエピソードを重視しているように感じられます」
併せて、
「松岡さんからは完全癖的な側面がみられます。『モーニング娘。の写真が掲載されている表紙』であるがゆえに捨てられないのであれば、表紙だけ保存して雑誌本体は捨ててしまう』という手があるはずですが、それをしようとはしていない。『全てをきちんと保管したい』という欲求が見て取れます」
「汚部屋」「ゴミ屋敷」とは違う
近年は極限まで散らかった「汚部屋」(「おべや」もしくは「おへや」)やゴミ屋敷が社会問題としてテレビで取り上げられることもあるほか、バラエティー番組で出演者が汚部屋エピソードを明かす機会も増えてきた。ただ、鈴木氏によると松岡さんの場合は全く異なるという。
「汚部屋やゴミ屋敷は重症・軽症はさておき、何らかの病気が原因であることが多く、また、『不要』どころか『捨てなければならないもの』が捨てられていないのが特徴です。惣菜のパッケージなど、放置してはいけないものが捨てられていない場合は汚部屋やゴミ屋敷と言えるでしょう」
また、一方で一般的な収集家とも異なるという。
「ミニカーや鉄道模型、骨とう品などは積極的にお金を出さなければ収集できません。これらは思い出やエピソード以外に金銭的価値も発生しますので、松岡さんの場合とは異なります。松岡さんの場合は対象への興味が失われた場合は簡単に捨てられるでしょうが、一般的な収集家は収集の際に多額の費用を投じていますから、そうはいかないでしょう」
ついつい物を取り置いてしまう心理にも色々なものがあるようだ。
(J-CASTニュース編集部 坂下朋永)