「政権内部の人々による、静かな抵抗運動」「二重大統領制」
「問題の根本にあるのは、大統領の道徳観念のなさ」だとして、トランプ氏は政策を決める際の当初の原理原則にこだわらない、などと指摘した。トランプ政権では、規制緩和や税制改革といった成果があったとしながらも、これらは「大統領のリーダーシップ『によって』ではなく『にもかかわらず』もたらされたもの」で、この「リーダーシップ」は「衝動的、敵対的、狭量、非効率」だとこきおろした。
「ウォーターゲート事件」報道に携わったボブ・ウッドワード氏の暴露本「FEAR(恐怖)」(9月11日発売)では、ホワイトハウスで幹部による抵抗=「行政的クーデター」が起こっていたと説明されていた。これに対して、今回の寄稿でも「この国を第一に考える政権内部の人々による、静かな抵抗運動」「二重大統領制」といった言葉が登場する。例えば、メディアからすると「悪人」だと映りがちなトランプ氏の側近は
「こっそりと、悪い決定を執務室の中にとどめようと努力を惜しまないが、いつもうまくいくわけではないことは明らか」
だという面従腹背ぶりだ。
さらに、トランプ氏はロシアのプーチン大統領や北朝鮮の金正恩・朝鮮労働党委員長といった「専制君主や独裁者」を好む一方で、同盟国や友好国との関係にはほとんど関心を見せないという。そんな中が「政権の残りの人々」が、実質的な外交に携わっているとしている。
トランプ氏はこの投稿に反発し、
「いわゆる『政権幹部』は本当に存在するのか、それとも経営が悪化しているNYT紙の、新たな偽の情報源なのか。本当に憶病な匿名の人物がいるのであれば、NYT紙は国家安全保障のために、すぐに政府に引き渡さなければならない」
などと犯人捜しを示唆している。
(J-CASTニュース編集部 工藤博司)