「Fワード」使いながらアサド大統領「殺してしまおう」
前出の「行政的クーデター」にあたる行為も多い。17年4月には、シリアのアサド政権が一般人に化学兵器を使用していたと米政府が結論付け、トランプ氏は「くそったれ」などの意味を持つ、Fで始まる4文字の英単語を使いながら、
「彼を殺してしまおう。やろう。沢山殺そう」
などとマティス国防長官に指示したとされる。マティス氏はその場では同意しつつ、直後に電話を取って、部下に「あれは一切やらない。もっとちゃんとしたものをやる」などと指示した。
通商分野でも同様だ。コーン前国家経済会議(NEC)議長や、ポーター元秘書官は大統領が書類に署名してしまわないように机から隠したこともあるという。この書類は北米自由貿易協定(NAFTA)や米韓貿易協定からの撤退を可能にする内容だ。コーン氏はこの理由を「国の安全を守るため」だと主張し、後にトランプ氏のことを「プロのうそつき」と評するようになったという。
トランプ氏が周辺に放ったとされる暴言の数々も紹介されている。8つ年上のロス商務長官には、
「あなたのことは信頼していない。もう交渉はしてほしくない。あなたは峠を越えた」
とけなした。セッションズ司法長官については、ポーター秘書官に対して、ロシア疑惑への対応を理由に「裏切者」呼ばわり。アクセントをばかにしながら、
「知恵遅れで、ばかな南部人だ。ひとりではアラバマの田舎弁護士にすらなれなかっただろう」
などと述べたという。