米中貿易戦争リスク
この第1四半期決算は8月2日の取引時間中に発表され、丸紅の株価は一時、前日終値比2.5%高の902.4円まで上昇した。3日以降も一進一退を繰り返しながらも上昇基調だった。決算発表以降、野村証券やUBS証券、JPモルガン証券が五月雨式に目標株価を引き上げ、外資系2社は1000円を超えた。これが投資家の「買い安心感」を呼び、8月28日には一時、前日終値比1.7%高の932.0円に達し、29日にはさらに934.5円の直近高値をつけた。出遅れていた丸紅の復活が、投資対象を物色していた投資家の目を引きつけたと言える。
ただ、米中貿易戦争という商社にとって避けられないリスクがある。今のところはっきりした影響が出ていないため商社株を大きく下げる材料にはなっていない。だが、貿易戦争のあおりで、例えばエネルギーや穀物などの価格が大きく変動するようなことになれば業績に大きく響きかねず、注意が必要だ。