関西国際空港(大阪府)が「水没」した映像はショッキングだった。「50年に1度」の高波が来ても大丈夫なように対策をしていたが、台風21号の影響で想定以上の高波が襲った。
こうしたニュースを見ながら、東京湾に面した羽田空港(東京都大田区)に、もし同じ程度の台風が来たらどうなるのか、と気になった人も少なくないようだ。J-CASTニュース編集部が、国土交通省に聞いた。
関空では「50年に1度」の想定を超える高潮
関空では、大阪湾で過去最高の潮位、2.93メートルを記録した第2室戸台風(1961年)と同程度の高潮を想定し、2005年からは護岸の高さをそれまでより2.2メートルかさ上げするなどの対策を取っていた。しかし、2018年9月4日の高潮は3.29メートルと想定を超え、「水没」につながった。第1滑走路(1期島)は海面から5メートルの高さにあるが、最大で0.5メートル冠水した。大阪湾に浮かぶ人工島で、地盤沈下が進んでいるという事情もあり、1期島では1994年の開港から最大で3メートル以上沈んでいる。
それでは、もし羽田空港を今回と同じ「3.29メートル」の高潮が襲ったらどうなるのか。国土交通省によると、「大丈夫」だそうだ。やはり第2室戸台風規模の台風が関東を襲ったとして、2.9メートルの高潮が来た場合を想定。それでも、海際の土地の高さが4メートルあり、関空のような護岸壁は作らなくても浸水は起きない計算になる。低い滑走路でも6.6メートルある。つまり、関空のケースと同じ規模の高潮が来ても「関空のような浸水に至ることはありません」。また、津波被害の想定は、高潮の場合より低い数字となっている。