群馬県前橋市が、2018年9月8日・9日に市内で開催される「アイドルマスター(アイマス)」のライブを「熱烈歓迎」する姿勢を示し、ネット上で話題を呼んでいる。
ライブの協賛に名を連ねただけでなく、山本龍市長がSNSを「アイマス仕様」にしたほか、5日には、出演者たちが「一日市長」に就任することも発表された。J-CASTニュースでは、こうした取り組みの背景について市に取材した。
「焼きまんじゅう」を市長がアピール
「是非ともJR前橋駅からグリーンドームの沿線のお店の経営者様はアイマスのお客様が注目する仕掛けにご留意ください。(中略)出演者に焼きまんじゅうなどの前橋の物産をステージで話してもらえるように主催者に依頼しました」
8月30日、フェイスブックにこう書きこんだのは、誰あろう前橋市の山本龍市長だ。9月5日現在、このフェイスブック、そしてツイッターのヘッダーは、8日・9日に市内のヤマダグリーンドーム前橋で開催される、「THE IDOLM@STER CINDERELLA GIRLS SS3A Live Sound Booth♪(以下SS3A)」の告知画像に設定されている。まさに「アイマス仕様」である。
「アイドルマスター」はアイドル育成ゲームを軸にしたメディアミックスプロジェクトだ。テレビアニメ化、劇場アニメ化もされ、CDもオリコン上位をにぎわせる。担当声優たちが出演してのライブもたびたび開催されており、チケットは争奪戦の対象だ。
そんな最新ライブ「SS3A」を直前に控え、前橋の街にはある変化が――。
「開催まであと3日!!」
5日、市の公式ゆるキャラ・ころとんがツイートしたのは、前橋駅観光案内所の店先の写真だ。店頭のデジタルサイネージには、「アイドルマスター シンデレラガールズ」に登場するアイドルたちのイラストが映し出され、「SS3A」の情報が告知されている。
このほか、駅前の街頭には歓迎のフラッグが飾られ、7日からはキャラクターのパネルが観光案内所に登場する。特別製の観光マップも配布されるほか、作中に登場するアイドルユニット「セクシーギルティ」の3人(片桐早苗役・和氣あず未さん、及川雫役・のぐちゆりさん、堀裕子役・鈴木絵理さん)が「一日市長」に就任することも5日明らかにされた。前橋市によると、市の公式サイト上で7日正午~9日23時59分まで、特設ページが公開される予定だという。
前橋市のアイマス推し、いったい何があったのだろうか――?
表敬訪問きっかけにとんとん拍子で
今回の連携企画を担当する、市・みらいの芽創造課に聞いた。なんと、今回のコラボの話が動き出したのはつい最近、8月に入ってからのことだという。
「お盆前のことだったと記憶しておりますが、関係者の方が市長に表敬訪問に見えられたんです。その場で話が進み、行政としてやれる範囲ではありますが、ぜひ連携企画を行おうと」
山本市長は過去の市長選で「おたくやサブカル文化による町おこし」を掲げたこともあり、アニメや漫画などの文化にも理解がある人物だと担当者は説明する。こうした背景もあってか、連携の話もとんとん拍子に進んだ。
担当者は、「SNSを通じた拡散力も大きいので、ぜひこの取り組みを通じて前橋市の名前を知り、興味を持ってもらい、できれば実際に来ていただければ」と、「アイマス経済効果」に期待をかける。
市長は、3日のツイッターでこう呼びかけている。
「当日は駅ナカの売店前にキャラクターの等身大(パネルを)設置します。皆が楽しい気持ちになってくれればいいなって願う」