自民党総裁選(2018年9月7日告示・20日投開票)に出馬を表明している石破茂元幹事長(61)が9月4日夜、ネットテレビ「AbemaTV(アベマTV)」の番組「AbemaPrime(アベマ・プライム)」に出演し、総裁選に向けた意気込みを語った。
石破氏は、分野ごとに自己評価を問われ、比較的高い評価をつけたのが「対話力」。「私たちの仕事というのは言いっぱなしじゃダメ」「相手を知らないでいきなりその前にぶつかっちゃうと、それは議論にならない」などと持論を展開した。18年の通常国会では、「もりかけ」を筆頭に、与野党間でかみ合わない議論が続いた。これを念頭に差別化を図った、とも受け止められそうだ。
「どんなに違う立場であっても、とにかく、できるだけ聞く」
番組では、「健康力」「決断力」「誠実さ」「対話力」「ネット・若者ウケ」の5つの項目について、5段階で自己評価。石破氏はそのうち、「誠実さ」「対話力」の2分野で4をつけた。
その中で、石破氏は「対話力」について、
「これは私たちの仕事というのは言いっぱなしじゃダメなんですよね。たとえ相手の方が自分と主義主張が全然違う。でも、我々は『分かってください』というのが仕事なんでね」
などと話し、防衛相や農水相として安保法制や減反見直しについて理解を求めた際のエピソードを振り返った。その中では、「まずは相手の話を聞く」ことの重要性を強調した。
「そのときは『分かってください』というのを一生懸命言うしかないので、相手の方がどんなに違う立場であっても、とにかく、できるだけ聞く。自分がワーッと喋らないで、相手の話を全部聞いてから『どうしたら分かってもらえるかな』というのは、これは、ずっと心がけていることではありますけど」
次に石破氏が強調したのが、相手を「調べる」ことだ。
「国会でずーっと答弁に立ってきましたけどね、立場が違う人であればあるほど、その人が書いていること、言っていること、その党の主張、それは全部調べ上げていきます」
とりわけ石破氏が「主義主張は全然違うけど、すっごく論理的に緻密」だと評価するのが共産党で、答弁に臨む際の「攻略法」の一端も明かした。
相手を知らずにぶつかっても議論にならない
「なんで反対なんだろう、どういう論理構成でやってるんだろうか、その人はどういう例を引いて日ごろ演説しているだろうか、みたいなことを...。まだその頃はインターネットがあんまり発達していなかった時代なので、国会図書館にお願いして、そういう資料全部出してもらって、共産党の機関紙を読んだりして...」
その上で、石破氏は
「だからその、相手を知らないでいきなりその前にぶつかっちゃうと、それは議論にならない」
と論戦への心構えを説いていた。安倍首相も9月6日夜放送の同番組に出演予定だ。
(J-CASTニュース編集部 工藤博司)