甲子園準V金足農便乗町おこし、結局「空振り三振」でゲームセット

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   夏の甲子園を沸かせた金足農高の健闘は記憶に新しい。甲子園で史上2番目に多い881球を投げたエース吉田輝星選手のひたむきさに心打たれたファンも多いだろう。また、出場する多くが私立高という中で、地方の公立農業高校という点と、ベンチ入りした選手すべてが地元秋田出身という事実が金足農高フィーバーを巻き起こした大きな要因である。史上初の2度目の春夏連覇を果たした大阪桐蔭高校の偉業が霞んでしまうほど、金足農高はこの夏、強烈な印象を残した。

   敗れたとはいえ、秋田勢として103年ぶりに決勝進出を果たし、一躍全国区となった球児たち。甲子園の宿舎で地元産の「あきたこまち」を食する吉田選手の映像がテレビで放映されると、県外から「あきたこまち」の問い合わせが相次ぎ、購入者が続出した。町おこしの絶好の機会を逃すわけにはいかない。周囲の大人たちは躍起になっているが、そこには日本学生野球憲章が大きな壁となって立ちはだかる。

  • 高校野球イメージ
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例外は許されない鉄の掟

   日本学生野球憲章には、高校野球を「商業的に利用しない」とあり、便乗商法を禁じている。それどころか、日本高等学校野球連盟(高野連)の内規により凱旋パレードさえできないのが現状である。理由は、球児に「華やかに英雄視するのは誤った心情を与える」からだ。

   過去に市長による異例の声明で、凱旋パレードや商店街の祝賀セールを自粛した例がある。

   2015年のセンバツ大会で北陸初の優勝を果たした敦賀気比高校だったが、2015年4月3日付の「福井新聞」は次のように報じている。

「敦賀市内には選手の凱旋パレードを求める声や優勝記念セールを模索する店も。ただ日本高野連は過度な祝賀行事の自粛を要請しており、選手が帰郷した2日、河瀬一治市長らが会見で市民に理解を求めた」

   河瀬一治市長と対局の反応を見せるのが、秋田市の穂積志市長だ。

   2018年8月30日付の産経ニュースは、「秋田市の穂積志市長が、高校野球の商業利用を禁ずる日本学生野球憲章などについて、『第100回の記念大会でもあり、時代とともに変革される許容範囲もあるのでは』と疑問を呈した」と報じている。

   高野連と真っ向対決してでも金足農高に便乗して秋田を売り出したい市長の思惑。9月3日には農林水産省が金足農高に大臣感謝状を贈るなど、このように政治的に利用しようと目論む周囲の大人たちにネットでは批判の声が上がっている。

「ハンカチの時ほどではないが高校生を利用しようとする大人がウジャウジャと湧いてますね」
「政治利用いい加減にしとけ」
「もうブーム終わったから遅い」
「過去9回甲子園出場、ベスト4の経験あり そんな甲子園常連校が準優勝したから大臣から表彰?」

   現時点で日本学生野球憲章が緩和される動きはなく、「便乗町おこし」は実現しそうにない。東北のドクターKを生んだ秋田も、高野連の剛速球に空振り三振で完敗だ。

   ちなみに、以前に金足農高の生徒が大手コンビニエンスストアのローソンと共同で開発し販売した「金農パンケーキ」(税込み145円)は、「学校としての取り組み」のため再販売が容認され、売り切れ続出の状況だという。

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