熱中症対策にトマトジュース、もはや常識!? 売上7倍のメーカーも

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じつは冴えない? スポーツドリンク

   トマトジュース以外にも「熱中症対策」飲料は続々登場。キリンは2011年7月に発売した「世界のKitchenから ソルティライチ」を、18年5月にリニューアル。飲みやすいパウチタイプを用意して、旬のライチ×沖縄海塩の組み合わせで、おいしく水分と塩分を補給できる。

   キリンによると、18年7月(単月)の出荷量は、トマトジュースを含む野菜飲料系で5%増、スポーツドリンク系で19%増。ソルティライチが25%増と「酷暑もあって、過去最高を記録した昨年を上回りました。一気に伸びた印象があります」と話す。

   ちなみに熱中症対策飲料に加えて、豪雨災害に見舞われた西日本を中心に、ミネラルウォーターの伸びも著しく、全体で15%増、中・四国に限っては2倍増となった。

   サントリー食品インターナショナルも、水分と塩分をしっかり補給できる「GREEN DA・KA・RA 塩 ライチ&ヨーグルト」、「なっちゃん ひんやり塩パイン」、「塩のはちみつレモン」を6月から発売。いずれも、冷凍してもおいしく飲めると推した。

   そうしたなか、一方で水分補給の「主役」だったスポーツドリンクの市場が、減少傾向にある。食品マーケティング研究所によると、スポーツドリンクの2015年の売り上げ箱数は1億3030万箱。16年は1億2990万箱で、17年は1億2580万箱(前年比3%減)だった。

   スポーツドリンクに代わって台頭してきたのはミネラルウォーター。なかでも、フレーバーウォーターが急成長。最近は一時の過熱ぶりがだいぶ落ち着き、成長が鈍化しているものの、大手飲料メーカーの関係者は「スポーツドリンクのシェアを奪って成長したのは、フレーバーウォーターが影響している」とみている。

   ただ、そのフレーバーウォーターが「必ずしも熱中症対策にはならない」こともわかってきており、水分補給にはなるが、塩分やカリウムなどが不足する恐れがあるとされる。トマトジュースなどの「熱中症対策」飲料が、このスキに割って入ったようだ。

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