台風21号が西日本を中心に大きな被害をもたらした2018年9月4日。歌舞伎俳優の市川海老蔵さんは苦悩の末、石川県小松市での夜公演の決行に踏み切った。
夜公演後の小松市は「暴風圏も抜けて激しい雨でも風でもなく普通の雨の日くらい」の天候は落ち着いていたというが、来られなかった客には払い戻しの対応をするという。
「一人でもご覧になりたい方がいらっしゃれば」
「こんなにも舞台を行うか行わないかで悩んだことは初めてでした」
「色々意見あるとは思いますが私は小松公演をして良かったと思っています」
4日、海老蔵さんは夜公演を終えて、インスタグラムを更新した。朝の時点で夜は台風21号直撃との予報があった。だが、決行に踏み切ったのにはこんな思いがあった。
「近くにお住まいでどうしても見たい方もいらっしゃると思っております。私としましては、一人でもご覧になりたい方がいらっしゃれば舞台を勤めたい、という思いです」
4日当日、「緊急避難勧告が出たら潔く中止にしよう」と考えていたが、昼の部終了時点で思ったよりも多くの客が来ていた。また、緊急避難勧告も出ず、終演時にはある程度台風が通過しているという予測もあったため、開催を決めたという。実際、夜には台風は通過し、小松市は暴風圏からも抜けており、「なんとか無事に終わりました」と振り返った。