立憲民主党の枝野幸男代表が2018年9月3日の定例会見で、党所属の衆院議員をめぐって指摘されている問題について「知見がない」と繰り返す場面があった。
一連の文部科学省の汚職の発端となった東京医科大の裏口入学事件では、前理事長の臼井正彦被告(77)=贈賄罪で在宅起訴=と文科省前科学技術・学術政策局長の佐野太被告(59)=受託収賄罪で起訴=を引き合わせたのは、医療コンサルタント会社元役員の谷口浩司被告(47)=贈賄罪で起訴=だと報じられてきたが、同党の衆院議員の名前が「実際の紹介者」として取りざたされている。この問題は夕刊紙で1か月以上前に指摘されているが、枝野氏は反論や否定すらせずに「ダンマリ」に近い状態だ。
谷口被告の妻を名乗る人物がウェブサイトで...
この贈収賄事件をめぐっては、谷口被告の妻を名乗る人物がウェブサイトを開設。その中で臼井、佐野両被告の「実際の紹介者」として衆院議員を名指し、会食の日付や場所だとされるものも明記されている。この衆院議員と谷口被告らとの関係については、夕刊フジが7月27~28日付の紙面(28~29日発行)で指摘している。この記事の中で、衆院議員は谷口被告と面識があることを認めながら、受託収賄事件について「一切関与していない」としている。
それから1か月以上が経った9月3日の枝野氏の会見では、記者が衆院議員について
「色々と言われている。このことについて耳にしているか」
と質問したが、枝野氏は
「先ほどの安倍総理の質問(編注:直前に、安倍晋三首相と反社会的勢力との関係を指摘する質問があった)に対するのと同じように、ここでお答えするような知見は持っていない」
とコメントを避けた。
「社会部が動いている。司法記者会が動いている。それでも、枝野さんとしては何も言わないつもりなのか」
という追及にも、同様の答えを繰り返した。
別の記者は、
「政党の代表としての責務から、うかがいたい。それでもお答えいただけないのか」
などと枝野氏の姿勢を疑問視。それでも枝野氏は
「それにお答えする知見がない」
と繰り返し、否定や反論すらしなかった。