文大統領支持率が「4か月で3割減」 経済政策めぐる事情

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   2018年4月末の南北首脳会談直後は約8割の支持率を誇った文在寅(ムン・ジェイン)大統領の支持率が低迷している。

   調査会社のリアルメーターが8月3日に発表した8月第5週(8月27~31日)の世論調査の結果では、支持率は前週よりも0.8ポイント低い55.2%で、4週連続で過去最低を更新。不支持率は同1.9ポイント高い40%で、過去最高を更新した。その理由のひとつとして調査会社が挙げるのが経済政策だ。

  • 文在寅(ムン・ジェイン)大統領の支持率が「右肩下がり」だ(写真は大統領府の動画から)
    文在寅(ムン・ジェイン)大統領の支持率が「右肩下がり」だ(写真は大統領府の動画から)
  • 文在寅(ムン・ジェイン)大統領の支持率が「右肩下がり」だ(写真は大統領府の動画から)

自営業者や中小企業「アルバイトが雇えなくなる」

   文政権は家計所得を高めて成長をリードする「所得主導成長」政策を掲げている。最低賃金を引き上げたり児童手当を支給したりして国民の所得を増やし、内需を拡大させて経済成長を目指す。

   19年の1時間あたりの最低賃金は18年よりも10.9%高い8350ウォン(約830円)に引き上げられるが、自営業者や中小企業は「アルバイトが雇えなくなる」などと反発。8月29日にはソウル中心部で大規模なデモも起きた。こういったことを背景に、リアルメーターでは、経済政策をめぐって、コアな支持層である進歩派は結集を強めているが、保守層が離反していると分析している。

   実際、保守層の支持率は前週から7.8ポイント低い23.4%で、進歩(革新)層の支持率は3.7ポイント上昇し81.4%だった。

「所得主導成長」政策に8割が賛成の理由

   8月31日にギャラップが発表した8月第5週(8月28~30日)の結果でも同様だ。支持率は前週比3ポイント減の53%で、不支持率は5ポイント増の38%。支持率は最低、不支持率は最高を更新した。

   支持する理由を複数回答で聞いたところ、上位は「北朝鮮との関係改善」(14%)、「庶民のための努力/福祉の拡大」(11%)など。不支持の理由は「経済/民生問題の解決不足」(41%)、「対北朝鮮関係/親北朝鮮傾向」(10%)、「最低賃金引き上げ」(9%) といった具合で、経済経済が足を引っ張っていることが分かる。

   ただ、「所得主導成長」の是非については、「賛成」が60%に対して「反対」が26%と回答している。一見矛盾するかのように見える結果だが、ギャラップでは

「所得主導の成長政策には賛成が優勢だが、現政権の経済・雇用労働政策評価には否定的だ。つまり、政策の方向性に対する賛否と政策の効果は分離して見る必要がある」

と解説。この政策には多数の副作用が指摘されているとして、

「『所得主導の成長』の目指すところは、最終的には経済成長であるため、いくつかは、これ(副作用)を積極的に受け入れた可能性もある」

とも説明している。今後の経済成長への期待を込めた「賛成」80%ということのようだ。

(J-CASTニュース編集部 工藤博司)

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