工場の清掃作業員を蹴ったり殴ったりする動画がツイッター上で投稿され、物議を醸している。
静岡県磐田市内の機械部品メーカー「東海精機」は、J-CASTニュースの取材に対し、同僚の間で暴力行為があったことを認め、ホームページ上でもお詫び文を載せた。
後ろから足を蹴りあげる
黄色いヘルメットに黒い作業服姿の被害者男性が、工場の床を清掃する機械を押し、白い半袖シャツを着た小太りの加害者男性がそばで見ている。被害者は、少し足を引きずっているようだ。
しばらくして、加害者がイラ立った様子で、右手で被害者の右手を打ち、代わりに加害者が機械を押し始めた。そして、被害者と交代すると、いきなり右足で被害者を後ろから蹴り上げたのだ。
ボコッという音がしたが、被害者はそのまま作業を続ける。その後、加害者は、被害者に何か言ってから、今度は、左手で被害者を叩いた後、右手でアゴにパンチを浴びせた。さらに、右手で右横腹にもパンチしていた。
2分20秒ほどの動画では、加害者は、計5回ほど被害者に暴力を振るっていた。
この動画が2018年8月31日にツイッターに投稿されると、ネット上に拡散される騒ぎになった。9月3日昼過ぎ現在では、80万回以上も再生されている。
投稿者の「Ingridy」さんは、自分が撮ったものではないとしながらも、「こうゆうことがなくなりますように...」とツイッターで訴えた。関係機関に連絡したものの、被害者本人でないと動けないと言われたため、こうした手段を選んだと説明している。
障害者ではないが、足と会話に不自由が
東海精機は9月3日、本社工場内で暴力行為があったとするお詫び文をホームページ上にアップし、「被害を受けた従業員をはじめ、関係者への適正な対応を行ってまいります」と説明した。
総務課の担当者がJ-CASTニュースの取材に説明したところによると、加害者は、定年後に再雇用した非正規社員の清掃作業員で、被害者の正社員男性が清掃する順序などを守らなかったため、安全面を考えてサポートしていたという。被害者は、「障害者ではないが、足のほか、会話などにも不自由な面があった」という。
被害者にケガはなかったそうだが、東海精機では、暴力について「絶対にいけない行為」だとしている。社内で動画が問題になり、加害者が8月28日に被害者やその家族に謝罪したという。会社でも、加害者を厳重注意したといい、今後処分について検討するとしている。
加害者は、半年前ぐらいにも被害者に同様な行為をしており、そのときも加害者が被害者側に謝罪していたという。東海精機では、ほかには暴力行為などは起きていないと言っている。
(J-CASTニュース編集部 野口博之)