鈴木氏が苦言を呈した「動き」は
「誰が悪かったとかの責任論ではなく、僕の走塁観であのプレーを振り返りたい」。そう切り出した鈴木氏によると、二走・梅野と三走・鳥谷それぞれの動きは分けて見ていくべきだという。
まず、左中間寄りのフライで三塁へ向かった梅野の判断について。
「次の塁を狙う姿勢自体はいいと思います。ただ、フライの飛んだ位置と自分(梅野)の脚力を純粋に比較してみた場合、今回の判断ははたしてどうだったのでしょうか。
仮にランナーが1、2塁の状況であっても、同じようにタッチアップをしたのか。鳥谷選手の動きにつられて、自分も思わず動いてしまった部分はなかったか。実際のところ、本人がどう感じていたのかは分かりませんが、気になる部分ではあります」
続けて、鳥谷の走塁に対しては、「ああいった位置に飛んだフライだと、ランナーは(ボールが)ホームには帰ってこないだろうと思ってしまう」。その上で、
「もちろんプレー中は全力疾走が基本なのですが、やはりどうしても走塁が緩んでしまう状況はあります。『怠慢』というより、自然にそうなってしまう部分もあるんですよね」
と同情する。
ただ鈴木氏は、次打者としてホームベース付近にいた北條史也の動きについては、
「あの場面は、彼が一番グラウンドの状況を見ることができていました。鳥谷選手は後ろで何が起きているか分からないですし。なのに、なぜ何のジェスチャーもしなかったのでしょうか。本塁のランナーコーチとしての役割ができていなかった」
と厳しく見る。