体操のリオ五輪女子代表・宮川紗江選手(18)が、日本体操協会の塚原千恵子・強化本部長(71)と夫で協会の塚原光男副会長(70)からパワーハラスメントを受けたと訴えている問題。塚原夫妻が2018年8月31日に文書で反論するなど、事態の解明は混迷を極めている。
ワイドショーなど各メディアでは宮川選手への同情的な報道も少なくないが、少し違った見解を示しているのが、「世界体操2018」の放送を控えるテレビ朝日のコメンテーター・宮嶋泰子氏(63)だ。
事実を欠いた議論はNO
9月2日放送のニュース番組「サンデーLIVE!」(テレビ朝日系)に出演した宮嶋氏。日本体操協会の加盟団体「日本新体操連盟」の理事を務めるなど、スポーツ競技への造詣は深い。体操競技を40年にわたって取材し、塚原夫婦についても熟知しているという。
今回の騒動について、まずパワハラは「本人(宮川選手)が感じていること」と冷静に議論する必要性を説く。
「(宮川選手は)思い込みが強いかなというのは感じている。今回の会見では、『きっとそうに違いない』『私はそう感じました』というコメントがいっぱいあったが、本当にそうなのか。色々なところで話が交わされているが、ほとんどが『多分そう』という思い込みをベースに話している。私はファクトを少しずつ検証したいと思って取材している」(宮嶋氏)
宮川選手によれば、塚原千恵子氏は自身が監督を務める朝日生命体操クラブに引き抜くため、速見佑斗コーチ(34)の過去の暴力を蒸し返したと推測しているが、宮嶋氏は、事実は異なるとの見方を採る。
「コーチを通じて(暴力があったことが)塚原さんのところに行った。それで慌てて『なんとかしなきゃ』ということで今回の問題に発展した」
引き抜きの噂は嫉妬から?
引き抜きの疑惑については、さらにこう擁護する。
千恵子氏の手腕を「(選手の目利きが)ものすごく長けている。あとは選手育てるのも。なぜか朝日生命に行くとみんな上手になっちゃう」と評し、
「朝日生命体操クラブはものすごいチームで、色んなチームの選手が『あそこにいきたい』と移籍してくる。そうすると『引き抜いたんだな』っていうのが、細々と選手を育てているコーチたちには気持ちとしてある。千恵子さんは『本当に引き抜いてないのよ、私』とおっしゃる」(宮嶋氏)
その上で「千恵子さんはものすごく、実は清廉潔白で汚いことが嫌い」と千恵子氏の人柄にも言及。ただし「軽くポンポンと言っちゃうタイプ」のため、周囲から誤解されることも多く、「選手、コーチの中にも塚原さんを嫌いな人はいます」と裏話を明かした。