五輪で「大改造」ビッグサイト 大会後はどうなるか聞くと...

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   2019年の「コミックマーケット(以下、コミケ)」は、1996年から会場として使われる東京ビッグサイト(東京都江東区)の東館が使えないため、初の4日間開催、一部は仮設の青海展示棟を使用するなど変則的な形となる。

   東館が使えなくなるのは、2020年東京五輪・パラリンピックの開催に際して、東京ビッグサイトが世界各国のテレビ放送事業者のスタジオなどで使われる国際放送センター(IBC)と世界各国の記者やカメラマンのオフィス、記者会見場などで使用されるメディアプレスセンター(MPC)として稼働するためだ。コミケにも大きな影響を与える、この「大改造」の全貌とは。

  • 五輪が終われば元の状態に戻る
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東棟は19年から使えず

   東展示棟は拡張された新展示棟も含め準備工事を経て、19年8月から翌20年8月いっぱいまでIBCとして利用された後、3か月かけて撤去される。MPCが入る西展示棟は準備工事や撤去も含めて20年5月から9月まで利用できない。

   当初は東1~3ホールをレスリングなどの競技場として利用を想定していたが、IBCのスペースが手狭になることから、東展示棟全てをIBCとして使用。新設される南展示棟は本来ならばMPCとしての利用が想定されていたが、東展示棟がIBCとしてフル利用されるため、本来の展示施設として整備される。

   配置計画変更前のものだが、IBCについては放送事業者向けに番組制作用の技術的な施設に十分な広さのスペースが提供される。大会時に使用する暫定的なものでありながら、断熱、空調など事務所ビルと同様の性能が揃えられる。また、放送機材などの輸送の利便性から、1階で操業する。

   西棟のMPCにおいては高速インターネット接続が可能なレンタルオフィスが設置される。

発注規模は250億円以上の計画

   まさに大工事である。だがここで作られた設備は、すべて五輪・パラ終了後には撤去されるという。

   J-CASTニュースは2018年8月16日と21日に大会組織委員会の戦略広報課に取材を行った。

   「IBC/MPC整備工事」の入札説明書の業務概要によると、大会のために整備されるIBC及びMPCは、「大会終了後には、整備施設をすべて撤去し、現況通りに復旧する」と記されている。

   今回の工事で整備されるものの中で、空調など大会終了後の東京ビッグサイトに残せるものはないのかについて聞くと、

「現在の計画では、大会終了後に東京ビッグサイトに残す設備等はありません」

との回答であった。

   大会組織委員会の公式サイトによると、工事の発注規模は「250億円以上300億円未満」と表記されている。一過性のものでなく、恒久的に残せる設備などを作る計画はなかったのか。

   IBCとMPCとして必要な機能を持たせる間仕切りや設備を整備するものとした上で、

「整備のために、間仕切り、電気設備、空調設備等を設置します。これらは、展示場としては不必要なもので、展示場内に残せるものではありません。そのため、通常の展示会等と同様に仮設としています」

と回答した。しかし、すべて撤去することが前提としつつも、一部についてはこうコメントしている。

「環境への配慮として、今回整備する、壁や床の一部についてはリース品を採用し、また、設備の一部については後利用について検討を進めています」
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