体操のリオ五輪女子代表・宮川紗江選手(18)が2018年8月31日朝、情報番組「スッキリ」(日本テレビ系)に生出演。日本体操協会の塚原千恵子・女子強化本部長らからパワハラを受けたと訴えたものの、塚原光男・副会長が「全部ウソ」と発言したことに、「悔しい気持ちになりました」と述べた。
塚原副会長は31日朝、「全部ウソ」発言について「皆さんが捉えられている意味とちょっと違うところがある」と釈明。宮川選手はこれを受け、「言っていることが変わってきている」と持論を述べた。
「全力で宮川さえちゃんを応援したい」
塚原副会長による8月30日の「全部ウソ」発言について、宮川選手は31日放送の「スッキリ」で「そういう回答が返ってくるのは自分自身、すごく悲しいというか悔しい気持ちになりました」とコメント。「まさか全部ウソと言われるとは思ってなかったので、その部分に関しては少し想定外だった」と話した。
体操協会は30日、パワハラの有無を検証するため第三者委員会の設置に動いたが、宮川選手も「それはすごくいいことだと思うし、是非やっていただきたい」と期待感をあらわに。司会の加藤浩次さんから「宮川選手みたいな思いをしている選手、どのくらいいると感じるか」と聞かれると、「現役の選手から引退している選手まで、多くの人たちが思っていると思う」と述べた。
実際、2012年ロンドン五輪代表の田中理恵さん(31)は30日、ツイッターで
「いろんな形での助け方があります。私もさえのためにも、選手たちのためにも、協力します。心配で仕方がない」
と投稿。かつて塚原氏が監督を務める朝日生命体操クラブに所属していた、ロンドン五輪代表の鶴見虹子さん(25)も30日、ツイッターで
「元朝日生命で元日本代表として、全力で宮川さえちゃんを応援したいです。皆さんも応援してあげて下さい」
と呼びかけていた。
引き抜き説に「私、勧誘していないもん」
一方、塚原副会長は8月31日朝、自宅前で報道陣の取材に応じた。「プレスリリースを出しますので、その時、全部申し上げます」と述べた上で、前日の「全部ウソ」発言については「『全部ウソ』のね、皆さんが捉えられている意味とちょっと違うところがありますので」釈明。撤回するのか聞かれると、「それは違います」と否定した。
「スッキリ」では、この取材対応の模様を放送。スタジオで見た宮川選手は「昨日の全部ウソっていうところから、何か隠しているんじゃないかなと見ていたんですけど」とした上で、「どんどん言っていることが変わってきているので、そこに関しては早くきちんと述べて欲しいなと思います」と話した。
ただ、訴えを受けた張本人の塚原強化本部長は、宮川選手の主張に反論している。31日放送の情報番組「ビビット」(TBS系)では、本人が番組の電話取材に応じたと説明。「私ね、何も悪いことしてないからさ。暴力を報告しただけなのになんでこんなふうになるんだろうって」と話したそうだ。
宮川選手が29日に開いた「パワハラ」告発会見については、「ウソがいっぱいあるなと思った。暴力をパワハラにすり替えられた」と反論。初めから自身を朝日生命体操クラブへ引き入れるつもりで速見佑斗コーチを排除しようとした、との訴えには「私、勧誘していないもん、全然。宮川にだって、私は声をかけていないのよ」と主張したという。