煽り運転の動画投稿で「制裁」を加えることについて、モーターサイクルジャーナリストの佐川健太郎さんがヤフーニュース・個人への寄稿で異議を唱え、ネット上で論議になっている。
煽る方が悪く自業自得だといった意見は多いが、佐川さんは、J-CASTニュースの取材に対し、「全体でなく一部だけ映した動画だけで袋叩きするのは別問題だと思った」などと説明した。
「エスカレートして、ネットリンチになる恐れ」
「『煽り運転』にドラレコで仕返し 過熱するネットリンチに警鐘」。佐川さんは、自らが編集長を務める「Webike(ウェビック)バイクニュース」サイトにこのコラムを載せ、2018年8月27日には、ヤフーニュース・個人にも同じ文章を寄稿した。
佐川さんはコラムで、煽り運転について、「クルマやバイクを使った路上での暴力であり、ともすれば人の命を強引に奪う殺人行為になり得る」と冒頭で述べ、「どう考えても容認できるものではない」と強調した。
そのうえで、相手の車両ナンバーが分かるような動画投稿については、「怒りにまかせて個人を特定できる情報を公にさらすことで、社会的制裁を煽ろうとするのはいかがなものか」と疑問を呈した。
「動画をアップした本人は『煽り運転による被害を減らすため』と正義感に燃えてやっていることかもしれない。ただ、中には怒りのはけ口としての復讐にしか見えないものや面白半分の投稿、動画の再生件数を増やすための手段と見受けられるものもある」
佐川さんは、制裁行為はエスカレートして、「煽るヤツが悪い」という「危険な思想」でネットリンチに発展すると危惧を示した。そして、警察にドライブレコーダーの映像を調べてもらうことが大切で、「カチンときても大目に見てやる余裕が欲しい」と結んでいる。