「どうしても移籍させてもらえなかった」
プロサッカー選手は契約期間中にチームを出ることが頻繁にあるが、その際、獲得希望クラブは所属クラブと交渉して「移籍金(違約金とほぼ同義)」を支払う必要がある。移籍を望む選手は、世話になった「恩」としてお金を所属クラブに落としていく形だ。
だが、CSKAはこの移籍金に莫大な額を設定し、契約満了するまで主力選手を囲い込んでいるとされる。13年1月14日のサッカーメディア「フットボールチャンネル」は、当時移籍が噂されながら実現しないでいた本田について、「CSKAモスクワ 飼い殺しの真実~本田圭佑は『脱出』できるのか~」という見出しで報道。同クラブ所属のブラジル人選手が、母国のリーグに戻ることを望みながら「どうしても移籍させてもらえなかった」「普通ならまとまる移籍交渉だってまとまらない」として、その体質を語っている。
結局本田は、契約満了までの丸4年を過ごし、13年12月にACミランへ完全移籍するに至った。一般に「20代半ば」が選手としてのピークと言われるサッカー界にあって、23~26歳というまさに全盛期に、4大リーグ移籍が叶わなかった。今回の西村の移籍報道でも、サポーターからはこうした本田の二の舞が心配されているということだ。
もちろん例外もある。元セルビア代表MFミロシュ・クラシッチ(33)は、04~10年をCSKAで過ごした後、イタリアのユベントスが移籍金を支払って獲得している。また、ナイジェリア代表FWアーメド・ムサ(25)は12~16年にCSKAに在籍した後、FW岡崎慎司(32)が所属するイングランドのレスターシティに移籍。ここでも移籍金が発生していた。こうした例から、ネット上では「活躍すれば普通に移籍できます」といった声も出ている。