漫画家のさくらももこさんが死去したことを受け、テレビ番組で流れた本人の肉声が、アニメ「ちびまる子ちゃん」の主人公・まる子の声に似ていると、ツイッターで話題になっている。
要するに、まる子役の声優・TARAKOさんの声とそっくりだというのだが、これには逸話があるようだ。
小倉智昭「非常に似ていますよね」
さくらプロダクションがさくらさんの死去を発表したのは、2018年8月27日夜だった。テレビ各局とも28日現在まで、各情報番組で訃報を伝えている。
なかでも、アニメ「ちびまる子ちゃん」を放送するフジテレビ系列は、さくらさんの「肉声」を紹介した。
「やあ~、涼しくなってきたね~、なんだかね~、もう夜なんか。じゃ、いってみましょ~。さくらももこの、オールナイトニッポーン!」
28日放送の情報番組「とくダネ!」などで、ラジオのパーソナリティーとしても活躍していたと説明し、1992年9月7日放送の「さくらももこのオールナイトニッポン」(ニッポン放送)の音声を流したのだ。
番組のナレーションでは、アニメで主人公・まる子役の声優を務めているTARAKOさんについて「声がとてもさくらさんにそっくり」と説明。VTR明けのスタジオでも、司会の小倉智昭さんが「さくらももこさんご本人の声と、TARAKOさんの声って、非常に似ていますよね」と話せば、番組のアナウンサーらも「ビックリしました。まるちゃんでしたね、本当に」と驚きをあらわにした。
ツイッターやインターネット掲示板でも、視聴者から
「さくらももこさんの声をはじめて聞いた。アニメちびまる子ちゃんのまる子の声にそっくりで驚いた」
「さくらももこさんとまる子の声ほぼ一緒だな」
「『TARAKOが吹き替えてるんじゃなくて?』と思うぐらいビックリした」
との声が続出していた。
ただ、さくらさんと「まるちゃん」の声が似ているのは、偶然でも何でもなかった。
まる子役に抜擢された理由
かつてTARAKOさんは、ニュースサイト「アニメイトタイムズ」や「就職ジャーナル」のインタビュー記事で、まる子役に選ばれたのは「声が似ていた」からだと明かしていた。
「最終的な5人くらいの候補に残った後で、さくら先生が、『一番、ご自分に声が似ている』ということで私を選んでくださったそうです。確かに似てるんですよ!」(アニメイトタイムズの15年12月20日配信記事より)
アニメのオーディションでは当初、他の人がまる子役に決まっていたが、さくらさんが自らのイメージと合わないと感じたようで、第2回のオーディションが行われた。そこで抜擢されたのが、TARAKOさんだという。
報道によると、TARAKOさんは8月27日、さくらさんの死去を受け、コメントを発表した。「ただただ、頭の中がぐちゃぐちゃです、はい」と複雑な胸中を明かし、「ももこ先生へ」とこう続ける。
「私がそっちにいったら似たような声でいっぱいいっぱいお喋りしてくださいね」
「ももこ先生は『ありがとう』しかない恩人です」
ラジオで共演「誰が誰だかわからない」
実はもう1人、さくらさんと声が似ていた有名人がいる。歌手のイルカさんだ。
さくらさんとTARAKOさん、イルカさんは、先述のラジオ「オールナイトニッポン」で共演したことがあった。「リスナーの方は、誰が誰だかわからなかったそうです(笑)」と、TARAKOさんは先のインタビュー記事で振り返っている。
さくらさんの訃報を受け、この共演回の記憶がよみがえった人も多いようだ。ツイッターでは、
「TARAKOとイルカを呼んで3人でトークを繰り広げた時は深夜にカオスな状態をうみ出した伝説回だった」
「ほんまに誰がしゃべってるかわからなくて爆笑しました」
「当時、聴取環境も悪く、流れてくる3人の声が似ていて、至極混乱した記憶がよみがえる」
との声があがっていた。