「金足農・輝星に市民栄誉賞」報道が物議 驚いた潟上市が公表した見解とは

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   第100回全国高校野球選手権記念大会(夏の甲子園)で準優勝した金足農業(秋田)のエース・吉田輝星投手らに地元・秋田県潟上(かたがみ)市が「条例整備」のうえで「市民栄誉賞」などの授与を検討している、とする一部報道について、同市は「事実と異なっております」との声明を公式サイトで発表した。

   同市担当者はJ-CASTニュースの取材に対し、条例整備や市民栄誉賞を「検討している事実はない」と話している。

  • 潟上市が公式サイトでコメントを発表した
    潟上市が公式サイトでコメントを発表した
  • 潟上市が公式サイトでコメントを発表した

「あたかも特定の選手を特別扱いするかのように報じられた」

   潟上市は2018年8月24日、公式サイトで、

「本日、報じられた『金足農・輝星に市民栄誉賞 潟上市「第1号」新たに条例整備』は、事実と異なっております」

との声明を発表した。

   挙げられている報道とは、スポーツニッポンの同日付記事。冒頭で「金足農のエース・吉田輝星(17)に、新たな勲章が贈られる」として、吉田投手の地元である同市が「市民栄誉賞などの授与を検討している」と報じた。「新たに条例を整備した上で栄えある『第1号』として甲子園での功績を称えたい考え」と、具体的に条例整備にも言及した。

   同報道には、ツイッター上で「個人じゃなくてチーム全員に渡した方がいい」「これはおかしい。個人ではなくチームでしょ」といった疑問の声が続出。また、菊地亮太捕手、菅原天空内野手、菅原大選手も同市出身であり、記事には「市は全員を表彰する意向」との記載もあるが、冒頭からエース・吉田投手1人が大きくクローズアップされる形となっている。そのため、「チーム競技なのに1人だけ持ち上げるこの周囲の無神経さが嫌い」といった声も漏れることになった。

   こうした報道内容について、潟上市は声明で、

「金足農業高等学校野球部の活躍は、多くの人に夢と希望を与えたものであり、取材を受けた折は、本市出身の選手たちに対し、なんらかの形で顕彰する方法はないか検討したい、というお話をさせていただいたことが、あたかも特定の選手を特別扱いするかのように報じられたことは大変残念であります」

と所感を示した。「今後の対応につきましては、選手のことを第一に考えながら、潟上市としてできることを検討してまいります」との意向で、「皆様にご心配をおかけしましたことをお詫びいたします」と謝罪している。

「今朝の記事に載っていることが全て」

   潟上市総務課の担当者は24日昼、J-CASTニュースの取材に対し、同記事を受けて市に「メール・電話で数十件の問い合わせ」があったと明かした。特に吉田投手について書かれた前半部分から「特定個人を特別扱いしすぎではないか」といった声が多く寄せられたため、公式サイト上で市の見解を掲載するに至った。

   担当者によれば、同記事は藤原一成市長への取材にもとづくもの。質問への回答の中で「潟上市出身の選手」に何らかの表彰ができればとの考えを述べたといい、特定選手の個人名を出して特別扱いすることはしなかったとしている。

   また、「例えばの話」として市民栄誉賞という言葉を持ち出したとし、具体的に市民栄誉賞の新設を検討しているわけではないという。そのため、「条例整備を検討している事実もありません」と話した。

   金足農の登録メンバーの出身市町は、潟上市のほか、秋田市、井川町の3つ。同校が県立校であることから、「表彰するとなれば、秋田県や秋田市、井川町の動きも勘案しながら検討したいと思います。ただし、まだ具体的にどうすると考えているわけではありません」と述べていた。

   潟上市の公式サイトでの声明を受けてどう考えるか、J-CASTニュースがスポーツニッポン新聞社に取材したところ、「今回の潟上市のホームページ上のコメントに対し、スポーツニッポンとしてコメントすることはございません。今朝の記事に載っていることが全てでございます」とのことだった。

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