岐阜県内のミネラルウオーター会社が、水素水を粉末にした商品を発売したと地元紙に報じられ、「何が良いの?」といった疑問や批判がネット上で噴出している。
具体的な効能などはうたっていない模様だが、会社側は、「水素は発生します」と言っている。
元になった商品は、国民生活センターがテストしていた
この会社は、関市内にある「奥長良川名水」で、「ハイドロエッグ水素パウダー」という商品を2018年8月21日にオンラインショップなどで発売した。
この日は、東京都内で記者会見も行われ、地元の岐阜新聞がウェブ版でも報じた。
岐阜大や東京工科大の研究室との共同開発で、すでに同社が販売しているペットボトルの飲料水「逃げない水素水36」を凍結乾燥して粉末にしたという。飲食物に粉末を混ぜて使い、水に溶かすと水素が持続的に48時間以上も発生するとうたっている。1箱で3グラムの粉末が30包入っており、価格は税抜きで8400円する。
実は、元になった「逃げない水素水36」は、国民生活センターが2016年12月15日、景品表示法などに触れる恐れがあるとサイト上で発表した水素水の1つだ。
この商品は、ミネラルに水素を結合させたとし、そこから卵の殻が割れるようにして水素が発生するとしていた。すぐに飲み切るようにとの表示があったが、センターが行ったテストでは、開封したときに水素の検出量はゼロだった。
また、活性酸素が体の不調の原因だとして、商品を使えば、水素と反応して水に変わるとその効能を記していた。
効能はうたってないが、「水素は発生します」
しかし、奥長良川名水はその後、国民生活センターに違法性のおそれを指摘されて、「逃げない水素水36」の効能をうたった部分を削除している。
今回の「ハイドロエッグ水素パウダー」については、具体的な効能などは明らかにされていないが、ツイッターやネット掲示板では、「仮に水素水で水素を体内に取り込めたとして何が良いの?」「消費者センターに苦情が行きそうな商品だな」といった声も次々に上がっている。
奥長良川名水の広報担当者は8月23日、J-CASTニュースの取材に対し、
「根拠のない商品は、売っていません。水素は発生します」
と説明した。
商品では、開封して水に入れたときは水素の発生がゼロだが、徐々に発生して、48時間以降も続くという。
なお、水素パウダーは、アマゾンなどで注文が相次いでおり、23日昼過ぎぐらいまでに100箱余りが出たという。奥長良川名水では、1万個の年間目標に届きそうだとしている。
(J-CASTニュース編集部 野口博之)