高橋洋一の霞ヶ関ウォッチ
どうなる沖縄知事選と「辺野古移設」 中国には「絶好のチャンス」に映る?

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もう一つの県内移設問題「那覇軍港の浦添移設」

   米軍普天間飛行場の名護市辺野古への移設計画を巡って国と沖縄県が争っている。中国にとって、この状況は絶好のチャンスに映るかもしれない。

   翁長県政下では、仲井真時代に沖縄県が行った埋め立て承認を取り消し・撤回しようとする一連の動きがある。もっとも、「取り消し」については、16年12月20日に最高裁判決が出ており、翁長県政側の敗訴が確定している。一方、翁長氏は、死去の直前の18年7月27日、承認の「撤回」に向けた手続きを進めるよう県庁担当部局へ指示をしたと会見で明らかにした。

   今回の知事選の結果、仮に翁長氏の方針を継承する「オール沖縄」の知事が誕生しても、最高裁の確定判決があり埋め立て承認は有効だ。「オール沖縄」は、弔い選挙で翁長県政の継承かもしれないが、埋め立て承認を県が撤回しても、最終的には「取り消し」の際と同じように時間の無駄になるだろう。

   翁長県政継承という場合、もう一つの県内移設問題である「那覇軍港の浦添移設」についてどうするのだろうか。この問題は、形の上で「米軍普天間基地の辺野古移転」と相似形である。

   翁長氏は、日米安保に賛成だが沖縄県の負担が過大すぎるとして、辺野古移設は反対であった。しかし、浦添移設では逆に推進だった。翁長氏は、浦添移設は新基地にあたらないとしていたが、辺野古も既存基地内埋立てであり新基地ではなく、詭弁の印象だ。県民にも分かりにくく、ダブルスタンダードと言われている。

   「オール沖縄」は翁長氏と同様に辺野古反対、浦添推進なのか。それは矛盾にならないのか。


++ 高橋洋一プロフィール
高橋洋一(たかはし よういち) 元内閣参事官、現「政策工房」会長
1955年生まれ。80年に大蔵省に入省、2006年からは内閣参事官も務めた。07年、いわ ゆる「埋蔵金」を指摘し注目された。08年に退官。10年から嘉悦大学教授。著書に 「さらば財務省!」(講談社)、「『年金問題』は嘘ばかり」(PHP新書)、「マスコミと官僚の小ウソが日本を滅ぼす」(産経新聞出版)など。


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