高橋洋一の霞ヶ関ウォッチ
どうなる沖縄知事選と「辺野古移設」 中国には「絶好のチャンス」に映る?

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   米国防総省は中国の軍事・安全保障動向に関する年次報告書で、中国人民解放軍が米国とその同盟国に対する攻撃を想定した訓練を重ねている可能性があると分析している。

   この年次報告書は、毎年の国防予算授権法のために国防総省から議会へ提出されている報告で、2010年から行われている。はじめは70ページ程度であったが、今年の報告書は130ページにほぼ倍増している。

  • 移設問題の行方が注目される
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アメリカは国防予算を増額

   2018年8月13日(現地時間)、トランプ大統領は、19年度(18年10月~19年9月)の国防予算授権法(国防権限法)に署名した。同法では、19年度の国防予算総額は7160億ドル(約80兆円)で、18年度より170億ドル(約1.9兆円)多い。

   報告書は、中国人民解放軍が沖縄、台湾、フィリピンを結ぶ「第1列島線」を越える爆撃機の運用能力を確保していると述べている。その上で、グアムを含む西太平洋の米軍基地などを攻撃する能力を誇示するようになると警告する。台湾の独立宣言を防ぐため、「有事」に備えた準備を進めている形跡があるとも指摘している。

   アメリカは、中国と対照的に、台湾との防衛協力は強化する方針を打ち出し、武器売却も促進している。日本としても、アメリカの対台湾政策との歩調を合わすため、日米同盟の一層の強化が必要である。沖縄周辺の国防を強化しなければ、日中の軍事バランスが崩れて危険である。

   こうした中国の軍事的な脅威が年々増していく中で、翁長雄志知事の死去に伴う沖縄県知事選が行われる。2018年9月13日告示、9月30日投開票の予定だ。

   この選挙日程はなかなか微妙である。実は、9月16日に引退する沖縄県出身歌手の安室奈美恵氏は、引退前日の15日にラストライブが宜野湾市で開かれる。安室氏は、翁長氏側の応援をしているといわれ(死去時には「知事のご遺志がこの先も受け継がれ...」などとするコメントを発表)、彼女の絶大なる人気を選挙戦で利用しようとする向きもなくもない。

   翁長氏を支持していた共産党・社民党らが中心のいわゆる「オール沖縄」は衆議院議員の玉城デニー氏(自由党)を擁立する方向で、自民県連などは佐喜真淳・前宜野湾市長を推している。

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