金足農「伝令」選手のファインプレー 大差でもギャグ披露...マウンドに笑顔届ける

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   2018年8月21日の甲子園(全国高校野球選手権大会)決勝で、大きな注目を集めた「控え選手」がいた。金足農(秋田)の背番号「16」、伝令をつとめた2年生の工藤来夢(らいむ)君だ。

   5回ウラ。大阪桐蔭(北大阪)が8-1と点差を広げ、なおもチャンスが続く1死2塁の場面。金足農ベンチから伝令として勢いよく飛び出した工藤君は、エース・吉田輝星君らが待つマウンドへ向かうのだが......

  • 伝令選手の好プレーに注目(写真はイメージ)
    伝令選手の好プレーに注目(写真はイメージ)
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まさかのオーバーラン

   なんと、笑顔で走り寄る工藤君はマウンドの輪を抜けて、そのままレフト方向へオーバーラン。直後、「おっとっと...」と言わんばかりのコミカルな動きをしながら、体を反転させてマウンドへと戻っていく。

   相手に大量のリードを奪われ、なおもピンチが続く厳しい場面だったが、こうした工藤君の動作に金足農の選手たちは笑顔を浮かべる。さらには、アルプススタンドの観客からも、伝令の動きに大きな拍手が送られた。

   このとき、朝日放送(ABC)の中継では、金足農の監督が苦笑しながら「いらん、いらん」と手を左右に振る様子も映し出された。金足農ナインの明るい雰囲気が伝わる一幕に、ツイッターやネット掲示板では、

「伝令の工藤くん、和ませようといい味出してる」
「場を和ませようとマウンド通りすぎてボケるところほんと好き」
「甲子園決勝の舞台でボケる伝令の度胸は見事。金足農の監督も苦笑い。けど見てて和んだ」
「苦しい時に伝令の子が場を和ませようってボケる姿が可愛くて  いいチームだな」

などと好意的な反応が相次いだ。

準決勝でも...「元気の源は、あきたこまち!」

   工藤君が伝令で「ファインプレー」を見せるのは今回が初めてではない。準決勝の日大三高(西東京)戦でも、2点リードの8回1死1、2塁の緊迫した場面の伝令で、マウンドへ向かう途中にわざと転ぶフリ。ベタなギャグで、守備陣を和ませた。

   また、サンケイスポーツ(ウェブ版)の報道によれば、この場面で工藤君は監督からの指示を伝えた後、なぜか突然、

「元気の源は、あきたこまち!」

と口にしたという。

   一時マウンドには微妙な空気が流れたが、あきれた吉田君が「早く帰れ!」とツッコミ。周囲から笑みがこぼれ、これで選手の緊張がほぐれたという。この回、吉田君は1点を失うも、後続を打ち取っている。

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