米国のトランプ大統領が2018年8月20日(米東部時間)、ロイター通信とのインタビューで、再会談が行われる「可能性が最も高い(most likely)」と述べた。18年6月の米朝首脳会談後で合意した「朝鮮半島の完全な非核化」に向けた米国と北朝鮮の溝は埋まらないままだが、再会談で事態の打開はあるのか。
会談の場所は時期については明言しなかったが、9月にニューヨークで行われる国連総会に合わせて行われるという見方も出ている。
時期や場所は言及避ける
トランプ氏はインタビューで、北朝鮮について「多くの良いことが起こりつつある」などと楽観的な見通しを繰り返した。
「(北朝鮮の)核実験を止めた。(北朝鮮の)ミサイル発射試験を止めた。日本は感激している。何が起きるのか、今に分かることだろう」
「弾道ミサイルは発射されないし、長い間沈黙が続いている」
正恩氏とは「非常に相性が合う」とも述べ、
「私は彼が好きだし、彼は私が好きだ」
「金委員長とは非常に良い個人的関係を築いた。」
などと首脳間の信頼関係を強調。ただ、再会談については
「行う可能性が最も高いが、コメントしたくない」
と時期や場所については具体的な言及を避けた。ただ、9月のニューヨークで行われる国連総会が、その舞台になるとの見方も出ている。
各国首脳が一堂に会する国連総会で「終戦宣言」?
4月の南北首脳会談後に発表された「板門店宣言」では、18年中に朝鮮戦争の終戦を宣言することが盛り込まれている。今回のロイター通信の記事では、国連総会が終戦宣言発表の場として望ましいと考えている、とする韓国政府の見方を紹介している。終戦宣言には米国や中国の関与が不可欠なため、各国が一堂に会する国連総会の場が好都合、というわけだ。
ただ、非核化の道のりが見えない中での終戦宣言は、在韓米軍の削減など安全保障上のパワーバランスの変化に直結しかねず、非核化と同様、実現までには紆余曲折ありそうだ。
仮に正恩氏が国連総会に出席するとなれば、日本政府が目指す日朝首脳会談も視野に入りそうだが、北朝鮮側は拉致問題が「解決済み」だとする主張を続けており、両者の主張はかみ合わない状態だ。
(J-CASTニュース編集部 工藤博司)