報ステがトランプ発言で誤訳?「メディアを国民の敵と呼ぶ」は「英語音声と違う」との指摘

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   トランプ米大統領の発言について、「報道ステーション」(テレビ朝日系)が誤訳して放送したと、ツイッターなどで指摘が出ている。

   英語の音声では、「フェイクニュースを『国民の敵』」と言っているのに、「メディアを『国民の敵』」と紹介したからだ。これに対し、テレ朝は、「大統領は、『The Fake News』という言葉を『トランプ大統領にとってのフェイクニュースを報じるメディア』という意味で使っている」とJ-CASTニュースの取材に説明した。

  • 報ステ・メインキャスターの富川悠太アナ
    報ステ・メインキャスターの富川悠太アナ
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英語では「フェイクニュースを国民の敵」

   トランプ氏が一部メディアの報道をフェイクニュースと指弾していることを巡り、今度はメディア側が一斉に反論する動きに出た。全米400紙ぐらいの新聞社が2018年8月15日、一斉に社説を載せ、メディアはトランプ氏が言うような「国民の敵」ではないなどと主張したのだ。

   報道ステーションも17日夜、この話題を取り上げた。その中で、トランプ氏の発言について、「極め付けは、この表現です」として、次のようなテロップを流した。

「私はメディアを『国民の敵』と呼ぶことにした」

   しかし、英語の音声を聞くと、トランプ氏は、「メディア」ではなく、「フェイクニュース」を国民の敵だと言っている。この発言は、トランプ氏が17年2月に行った演説の一部だった。

   放送後には、報ステの日本語訳について、ツイッター上などで異論が出た。

   「こんな誤訳をするから報ステもフェイクニュースと揶揄される」といった内容で指摘したツイートには、20日夕現在で5万件以上も「いいね」が付いている。

   一方で、ニューヨーク・タイムズ紙などが「ジャーナリストを国民の敵と呼ばれた」と書いていることから、報ステがトランプ氏の発言を意訳したのではとの指摘も出た。

テレビ朝日の言い分は

   そして、「自分に批判的な報道をフェイクニュースと決めつけて批判してるわけだから 必ずしも間違ってはいない」「フェイク=メディアと理解しているので訳が違っていても違和感はない」と報ステに理解を示す向きもあった。

   しかし、疑問や批判は多く、「発言の引用部分を意訳してはいけない」「要人発言の翻訳と報道は、自己の解釈を入れずに正確に。言いたいことがあれば、別途解説をすれば済むこと」といった指摘が出ている。

   TBS系報道番組「サンデーモーニング」では、8月19日の放送で、トランプ大統領の考え方について、「メディアは『国民の敵』」とパネルで紹介した。しかし、演説の発言については、トランプ氏が「フェイクニュースは『国民の敵』だ」と言ったとテロップで流していた。

   テレビ朝日の広報部は21日、取材に対して、次のようにコメントした。

「トランプ大統領は演説や記者会見、ツイッターで『フェイクニュース』を報じている主体として、一部を除く大半のメディア、報道機関を繰り返し批判していて、その際には『The Fake News』という言葉を『トランプ大統領にとってのフェイクニュースを報じるメディア』という意味で使っています。今回の発言も『The Fake News』という言葉を使っており、こうした状況を勘案して『メディア』という翻訳にしたものです」

(J-CASTニュース編集部 野口博之)

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