「圧力によらない外交で、東アジア諸国との平和協定を締結」
ただ、翁長氏は辺野古移設反対を掲げる一方で、15年5月20日の会見では、日米安保について「品格のある誇りのあるもの」になるように求めながら、「私は自由民主党出身なので、日米安保の大切さはよく分かる」とも述べ、その重要性を強調してきた。保守の一部からも支持を得てきた理由のひとつだ。この点、玉城氏の立ち位置は翁長氏と微妙に開きがあるようにも見える。12年の衆院選では、琉球新報のアンケートに対して、沖縄の基地負担軽減を条件に安保条約は「維持」すべきと回答したが、沖縄タイムスのアンケートでは、
「普天間基地移設問題は、地元自治体の反対が明白な状況にあり、その意志を無視する政府の姿勢は、対等な日米安保体制とは言えない。この異常事態を改善し、真の日米安保体制の中、アジアの平和の調整機能を果たせる安全保障体制を構築する」
と、現行の安保体制には懐疑的にも映る。その後の衆院選の選挙公報では、
「普天間基地の早期返還を訴えつつ、日米安全保障体制を再構築する、それが沖縄県の負担軽減につながる唯一の策です」(14年)
「圧力によらない外交で、東アジア諸国との平和協定を締結し、国連関連機関を沖縄に誘致」(17年)
とうたっている。