中国ネットで突如、沸き起こったMe Too運動 「特色あるセクハラ問題」の顛末

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スラット・シェイミングによる反撃

   女性の権利に注目している多くの人々が、この期間でメディアに声明を発表し、7月から頻繁に起こる告発に奮い立った。

   女性の権利活動家である鄭楚然氏は、「一連の事件が発生したのは基本的に数年前のことだが、今になって凄まじい勢いで暴露されているのは、性暴力反対を訴える世論がすでにできていることを意味する」と指摘した。同じく女性の権利活動家の呂頻氏は、関連する調査データを引用し、「近日、『セクハラ』が微信で暴露される数はこれまでの数十倍になり、中国で『Me Too』運動にかつてないほどの注目が集まっている」と指摘した。

   ただ、ネットのコメントから見ると、現代の中国人女性が伝統的な束縛から脱却し、性的搾取に抗議しようとする方法が次第に社会から支持を受けるようになってはいるが、依然として抵抗を受けていることも分かる。

   7月に告発された男性のうち、ある者は認めたが、ある者は当時女性と「恋愛」をしていたと釈明し、ある者は誤解だと釈明した。

   また、ある者は認めないばかりか告発した女性に対して、その女性を「slut-shaming(スラット・シェイミング)」した。これは、古い女性観にもとづいて、女性の性行動を貶めて非難する行為だ。たとえば、先述したメディア人の章文氏は反論の際、「3人の告発者の私生活はふしだらだ」として、うち2人は「多くの男性と交際」、うち1人は「離婚歴があり、頻繁に飲み会に姿を現している」ことをほのめかした。

   さらに、被告発者に同情する一部のネットユーザーも、女性が法律的手段に訴えることをせず、SNSで公開処刑という手段に訴えたのは男性に対して不公平であると考える人々もいる。あるネットユーザーは「告発者には魂胆があり、金を脅し取ろうとしたところ、失敗してこのような手段に訴えたのではないか」と疑いを抱く。

   いずれにせよ、7月下旬に集中した告発は、中国の特色あるセクハラ問題について社会の注目を一時的に集めさせた。作家の巫昴氏も、いつでもどこでもメンツを欲する中国では、メンツや権力が中国式セクハラの温床になっていると指摘した。

   一方で、この突如巻き起こった中国版「Me Too」運動は、この原稿を執筆した8月16日現在、北京の夏の夕立のように、SNSなどからほとんど消えている。告発された権力者、有名人は今、無傷で日常にもどっているのではないだろうか。そして、彼らはほとんど処罰されていないようだ。これも中国の特色なのだろうか。

(在北京ジャーナリスト 陳言)

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