「暑過ぎ」が生む ビール販売の「新しい定説」

富士フイルムが開発した糖の吸収を抑えるサプリが500円+税で

「7~9月期の個人消費が再び落ち込む可能性も」と予測

   株式市場も反応。ビールやアイスクリーム製造など、夏になると買われる「夏銘柄」が、今年は冴えず、7月以降に値を崩す銘柄が相次いでいる。ダイキン工業や富士通ゼネラルといったエアコンのメーカーは健闘しているが、アサヒグループホールディングスやキリンホールディングスはともに、株価が6月末に比べ10%以上安い。森永乳業と明治ホールディングスも20%前後下落しているのは、暑すぎるとこってりしているアイスクリームより、さっぱりした氷菓に需要が移るためという。レジャー産業では、プール中心のレジャー施設「東京サマーランド」を運営する東京都競馬が15%以上安い。

   第一生命経済研究所のレポート「今年の猛暑は消費を増やすか、減らすか?」(8月2日)は、「今年については、気温の上昇が行き過ぎたことで外出の手控えが生じた可能性」があるとして、百貨店などの苦戦を指摘する。また、冬に台風や大雪の影響で野菜価格が急上昇し、1~3月期の個人消費が下押しされたことから、記録的な豪雨と暑さが相まって、「今後も野菜価格の上昇が続くようであれば、7~9月期の個人消費が再び落ち込む可能性も出てくるだろう」とも予想。結論として、「個人消費は均せば緩やかな増加基調とはいえ、天候次第で振らされる程度の強さでしかないともいえる。足元の景気は鈍化しつつも回復傾向が続いているが、それはあくまで輸出と設備投資を中心とした企業部門主導の回復という状況は変わっていない」としている。

   景気全体では、米国・中国を中心とする貿易摩擦・貿易戦争、さらに米・トルコ関係の緊張に伴う途上国通貨下落など世界経済の不確定要素が続出しており、猛暑のマイナス効果も考えれば先行きを楽観できる状況ではない。

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