ティファニーの指輪を左手薬指にはめて、轢死した彼女は「行旅死亡人」になった

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4人に3人は「男性」、約20%が30代以下

   「行旅死亡人」についてのまとまった統計は、実はほとんどない。

   厚生労働省や、官報を発行する国立印刷局に問い合わせたが、「国では件数は把握していない」(厚労省)、「特定の記事について、年間掲載件数は把握していないとのことです」(国立印刷局)との回答が。あくまで地方自治体の管轄、という理由からだ。

   今回の取材でわかる範囲で、その輪郭をまとめておこう。

   「行旅死亡人データベース」を元に筆者が調べたところ、2017年度の届け出件数は600弱(数字はいずれも8月9日時点)。また2010年以降の事例のうち(8048件)、4分の3にあたる75.9%が男性である。年齢は、60代が最多で825件だ(推定年齢がわかる累計2034件中)。一方で10代未満(79件)、20代(133件)、30代(190件)と、若い世代も決して少なくない。概算ではあるが、全体の20%前後が30代以下ということになる。

   行旅死亡人が官報に掲載されるのは、身寄りを探し出すためだ。だが、掲載が遺骨の引き取りに結びついたケースは、墨田区で2017年度に1件あったのを除くと、「ここ数年、聞いたことがない」(板橋区)といった回答がほとんどである。

   2017年度の板橋区では行旅死亡人5件に対し、墓地埋葬法が適用された「身寄りのない死者」は19件。墨田区が4件/33件。新宿区が5件/40件。およそ4~8倍だ。これがそのまま全国に適用できるとは限らないが、仮に4倍だとすると、年に3000人弱が「行旅死亡人」として弔われた計算になる。なお2017年度の江戸川区では、「行旅死亡人」の死因は42.6%が病死、7.4%が自殺で、50%が不詳だった。

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