2歳の男の子救出劇で注目を集めている尾畠春夫さん(78、大分県)の半生を「とくダネ!」(フジテレビ系)が特集した。
小学校の高学年からは仕事のため十分に学校へ通えなかった尾畠さんだが、感謝の気持ちを大切に仕事を続け、70歳を過ぎてからも各地の被災地でのボランティアに何度も参加している。MCの小倉智昭さん(71)は「尾畠さんに比べると、自分は何をやってこれたんだろう」と、目を潤ませながら述懐した。
被災地ボランティアだけでなく、自宅近くで草刈・缶拾いも
山口県の救出劇から2日経った2018年8月17日、「とくダネ!」は、尾畠さんのこれまでの活動について、近所の人が撮影した映像も交えて紹介した。
尾畠さんは、小学5年から近くの農家へ手伝いに出るようになり、中学を卒業して大分県内の鮮魚店で働いた。勉強は好きだったが、中学3年間のうち4か月程度しか学校へ通えなかったそうだ。仕事を通じて、感謝することの大切を教わった。
40歳ごろから登山を始めた。単に山登りを楽しむのではなく、30キロを超える木材を背負って山を登り、休憩地点のベンチが腐っていたので、自主的に取り替えたこともある。こうした山道整備の様子を近所の人が撮影している。
2005年ごろまで県内で営んでいた鮮魚店を閉め、鹿児島から北海道まで徒歩による日本縦断(約100日間)を実行。この間に触れあいがあった縁もあり、11年に東日本大震災が発生すると、ほどなく宮城県南三陸町へ向かい、ボランティアに従事。思い出の品を探して持ち主に返す活動などを行った。その後も、熊本地震や西日本豪雨の被災地へボランティアとして駆け付けている。また、近所の住民証言によると、大分の地元でも、自宅近くの草刈や缶拾いなどを自主的に行っている。