「もう識者の中では結論が出てる」
五輪組織委員会の森喜朗会長らが時計を2時間進めるサマータイムの導入を求める理由としては、気温が高くない早朝を活用することによる「酷暑対策」が取り沙汰される。つまり「暑すぎるからサマータイムを」という点があるわけだが、森田氏は「2時間やそこらずらしても一緒です」とし、気候の面から次のように話している。
「うちのスタッフが調べてくれたんですが、2時間ずれると(サマータイムの)7時が(標準時の)5時になるということですよね。これ、(気温が)最大1~2度しか違わないんですよ、朝。一方で昼間の時間帯は33~35度などとずっと暑いわけです。結局、朝早い時間を有効活用しようとか、涼しい時間に何かしようと言っても、温度も湿度も変わらない。アジアでは気候的に無理じゃないかということです」
1~2度という気温差については、
「ほとんど誤差ですよね。それでは朝早起きした意味がない。日本というかアジアの夏が欧米と違うんですよ。熱帯の夏と同じですから、北米のような感覚では無理です」
と切り捨てた。さらに、
「このことは何回も議論されてきて、もう識者の中では結論が出てるんです。またかと思ってるでしょう、試算した人々は」
と呆れていた。
欧州ではサマータイム廃止論が持ち上がっている。健康リスクへの懸念や、期待されていた経済効果に疑問が生じたためで、EU(欧州連合)は加盟各国の世論調査をふまえて今後の対応を検討する。こうした動きに森田氏は、「慣れているところでも、だんだんおかしいのではないか、となってきている」と述べていた。