2年前の捜索経験から、山の方にいるとひらめく
地元の日出町の広報2011年6月号では、尾畠春夫さんの活動が大きく紹介され、「今の自分があるのは周りの人のおかげ、困っている人がいれば手を差しのべるのはあたり前」とインタビューに答えていた。
その後も、精力的なボランティアは続き、車中泊をしながら様々な被災地で活動する姿が報じられている。2016年の熊本地震では、「嫌われてもいい」とボランティア12人を厳しく指導する様子が紹介されていた。
尾畠さんは、藤本理稀ちゃんの救出に成功した理由について、マスコミインタビューで2年前の経験を挙げている。
それは、大分県佐伯市内で2歳の女児が行方不明になったとき、別のボランティア男性が警察などの捜索区域外の山道を登って崖の下で無事発見したことだ。尾畠さんも捜索ボランティアに参加しており、そのときのことを覚えていたという。
尾畠さんは、「絶対この上にいるなと確信した」といい、8月15日朝に捜索を始めてわずか20分ほどで、曽祖父宅から北東に約560メートル山道に入ったところに理稀ちゃんを発見した。理稀ちゃんの家族には、見つけて直接手渡すと約束しており、警察の求めを断って自らの手で理稀ちゃんを家族に届けたという。
尾畠さんの活動ぶりに、ツイッター上などでは、「凄い、本当に凄い」「生き方すげーカッコ良いわ!」「映画のヒーローみたいだ」などと賞賛の声が相次いでいる。