大阪府内で容疑者の男(30)が警察署から逃走した事件で、男は、面会室のアクリル板を何らかの方法で一部を外して、そのすき間から出ていた。
壊れていたわけではないといい、一体どうやって外したのだろうか。
アクリル板の片側が押され、鉄枠とのすき間ができる
各メディア報道などによると、容疑者の男は、強制性交や強盗傷害、窃盗などの疑いで4回逮捕され、2018年5月25日から府警富田林署の留置場に勾留されていた。さらに、別の警察署で捜査車両などが燃えた放火事件に関与した疑いもあるという。
今回、富田林署では、弁護士との面会が終了したことを知らず、当時いた署員約20人のだれも男の逃走に気付かなかった。
男は、8月12日の19時半から弁護士と接見した。しかし、時間が長くなったため、署員が21時45分ごろに2階の面会室を確認すると、すでに男の姿はなかった。接見者と隔てるアクリル板の片側が押され、鉄枠から一部が外れて隙間ができており、そこから逃げていた。
面会室外側にあった署員のスニーカーがなくなっており、男は、サンダルを履き替えて、署の裏口から高さ2、3メートルの塀を乗り越えるなどして逃げたとみられている。男のサンダルは、署の駐車場で見つかった。
弁護士は、8時ごろに帰っていたという。富田林署では、通常は弁護士から面会終了を伝えてもらっているとして、面会室ドアのブザーの電池を抜いていた。
「よほどの力でないと、外れないようになっている」
ネット上では、「危機管理に問題がある」「しっかりして欲しい」などと警察への批判が相次いでいる。なぜ男は、アクリル板を外して逃走できたのだろうか。
富田林署の副署長は8月13日、J-CASTニュースの取材に対し、こう説明した。
「アクリル板と鉄枠の仕切りが壊れていたわけではありません。容疑者が逃げないように、よほどの力でないと、アクリル板は外れないようになっています。イスなどはなく、手足か体を使ったのかもしれません。容疑者が力持ちかどうかは、聞いていないです」
弁護士が接見終了後に署員に声をかけたかどうかは調査中だというが、「弁護士に問題はなかったと聞いています」と話した。今後については、ドアのブザーを使うなど改善策を検討したいとしている。