月商1兆6000億円 の商法
拼多多は創業から3年に満たずに、月販売総額一千億元(約1兆6000億円)を実現するという驚くべき記録を実現し、一躍中国国内で七番目に大きいIT企業となった。
拼多多は中・低所得の価格重視型の人々をターゲットユーザーとし、極めて高いコストパフォーマンスで最も人数の多い消費者市場をこじ開けた。このやり方は、かつてのショッピングサイトの淘宝網(タオバオ)ととても似ている。異なるのは拼多多がモバイルを主にしていることだ。
一定の数を集めると、商品の価格を安くするというビジネスモデルは、無理してでも数を集め、しかもケイタイという新しい道具を使って、見知らぬ人のサークルに一時的に参加して、安い商品を手に入れる環境を作ってしまう。無数のサークルは自然発生的に組織され、あっという間に3億人のユーザを獲得する。
拼多多は高密度の広告を打ち、短時間でプラットフォーム型ブランドの構築に成功した。黄峥氏がこの手段を取り入れる背後には彼の師であり、有名スマホブランドvivoやOPPOの投資者段永平氏があり、そこから学んだものである。昨今の中国の三大広告主は、vivo、OPPOそして拼多多となっている。
大々的にコマーシャルを打ち、ビジネスモデルをウイルスのようにどんどん伝染していくなか、偽物が多ければ消費者の不満なども当然高い。
しかし、中国ではもともと偽物にたいする取締が緩く、消費者の不満などは無視してもいいし、行政処分を受けても痛くはない、と考える企業が多い。
電子商取引大手のアリババはまだ小さい時に、一度上海で企業を作ったが、追い出されて仕方なく杭州に移った。拼多多は、それを見て、あえて上海に本社を置き、そこから株式をナスダックに上場した。
だが、拼多多が今後、消費者の反発を受け、さらに米国の多くの法律事務所による連合訴訟の「試練」を乗り越えて、タオバオのようにすくすくと成長していくのかどうか。答えが出るまでには、しばらく時間がかかるだろう。
(在北京ジャーナリスト 陳言)