「西友を売却するという決定はありません」と否定するが...
さらに、消費者がネット通販で多くの商品を購入するようになった現代では、リアルな店舗を構えること自体、大きなコストを背負うことになる。「人口が増えていた高度成長期ならいざ知らず、今、たくさんの店を抱えても何のメリットもない」(業界関係者)というのだ。「西友を買うという企業が出てきたら、その企業の株価は下がるだろう」と見るアナリストも少なくない。
結局、「条件のよい店舗を個別に買いたいという企業はあっても、全330店余りを一手に引き受けるような企業は出てこないのでは」と、業界に詳しい関係者は話す。
そうなると、ウォルマートは日本から手を引くに引けない状況になる。西友は今のまま変わらず営業を続けていく可能性も高い。ウォルマートは「西友を売却するという決定はありません。今後もこれまで同様に、日本でのビジネスを継続していきます」とのコメントを発表し、売却方針を否定しているが、「それは売却先探しの難しさの表れだ」と見る関係者もいる。