青森ねぶた祭の期間中、青森市内の駐車場で料金を1時間5000円に設定し、中には6万円以上も支払わされたというクレームが出て、地元のテレビでも取り上げられる騒ぎになっている。
近くのホテルの利用者を優先するための苦肉の策だったというが、この駐車場を運営する会社は、今後改善したいとして、ホームページ上で謝罪した。
ATMで下ろして、6万5000円を支払った人も
「特別料金のお知らせ」「終日 60分5000円」。テレビ映像などを見ると、駐車場内の看板や駐車券の発券機のところには、こんな貼り紙が掲げられていた。
貼り紙では、8月2~7日の間はこの料金だとして、近くの「ホテルJALシティ青森」の宿泊・レストランの客以外の人は、「特別高価格にご注意ください」とあった。
ちなみに、通常料金は、時間帯によって20分100~200円で、日中は最大でも700円となっている。
ところが、この貼り紙をよく見ていなかったなどとして、ツイッターやフェイスブックでは、法外な料金を支払わされたとの不満が相次いだ。地元テレビの報道によると、ある男性は、4日夕から翌朝まで車を止めて、なんと6万5000円を支払うことになったと明かした。ATMで1000円札を65枚用意して精算したという。
また、別の男性は、4時間利用して2万円を支払ったといい、「ぼったくりですよね」とインタビューで訴えていた。
このニュースについては、ネット掲示板などで大きな話題になり、議論が巻き起こっている。
料金に批判的な声としては、「老人や急いでいる人は間違うよ、これ」「お祭り、催事価格で割高と言っても限度はある」などと書き込みがあった。
駐車料金の返金はなく、今後については交渉次第
一方で、「大きく書かれているから、問題ない。常連だから勘違い、も通用しない」「原則はちゃんと読まなかった側の落ち度」などと駐車場利用者も気を付けるべきだったとの指摘も出た。
報道を受けて、駐車場運営会社のパラカは8月10日、料金設定についてホームページ上に説明文をアップした。
それによると、「ホテルJALシティ青森」の客の利用を優先するため、ホテルのオーナーで駐車場の地主がパラカと協議してこの料金設定に決めたとした。しかし、騒ぎになったことを謝罪し、今後このようなことがないように改善したいとしている。
パラカの管理部は同日、J-CASTニュースの取材に対し、次のように答えた。
「料金が高ければ車を止めないだろうと、一般の人は利用しない想定でいました。現地に人を置かない方法を考えましたが、配慮が足りませんでした。次のねぶた祭からは、駐車場に人を出して一般の人は利用できないと案内するなど、違う形にしたいと考えています」
お金を支払った人への返金については、オーナーに大半の金が回るため、パラカでは対応していないとしている。
ホテルJALシティ青森は、ねぶた祭期間の特別料金については承諾していたが、総支配人は、次のように取材に話した。
「ホテルは駐車場を借りているだけで、駐車料金の返金は受けられません。しかし、問い合わせがたくさん来ており、ホテルの気持ちとして、5000円のホテル利用券を差し上げています」
返金がないことに納得できない人は、パラカ側と交渉するしか現状ではないという。