トランプ大統領批判は回避
今回の声明は、8月6日に労働新聞が
「米国が『制裁・圧迫』という旧石器時代の石斧を捨てて、信頼と尊重の姿勢にどれほど近づくかによって未来の全てが決定されるであろう」
などと反発したのに続く反応で、
「米国が対話の相手に対する初歩的な礼儀も全て投げ捨てて、歴代行政府が体験した失敗の古びたシナリオに執着する限り、非核化を含む朝米首脳会談の共同声明の履行においていかなる進展も期待できない」
などと主張。非核化に向けた具体的な道筋が見えない中、制裁緩和などを要求する狙いがあるとみられる。
今回の声明で特徴的なのは、米国政府とトランプ氏を区別している点だ。今回の圧力強化は
「朝米首脳会談の共同声明履行のためのわれわれの善意の措置に謝意を表して朝米関係を進展させようとするトランプ大統領の意志に逆行して」
行われていると主張し、今後の展開についても、
「朝米両首脳の意を守って、朝米間に信頼を構築しながら朝米首脳会談の共同声明を段階的に誠実に履行していこうとするわれわれの意志には変わりがないし、米国は今からでもわれわれの誠意ある努力に相応した応答をすべきであろう」
と、トランプ氏への直接の批判を避けながら合意履行に向けた立場は維持している。