日本ボクシング連盟会長を辞任すると表明した山根明氏について、元プロ野球選手の長嶋一茂さんが2018年8月10日の「羽鳥慎一モーニングショー」(テレビ朝日系)で、「正直、僕には悪人に見えないです」との見解を述べた。
独裁といえる体制を築いてきた山根氏だが、連盟への告発状提出後にメディアで見せる姿はどこか掴みどころがないキャラクターだ。
「泣いたり、お茶目な部分も見え隠れしたりするし」
山根氏をめぐっては、「接戦した場合、やっぱり奈良やな。反対につけたら『お前なめてるんか?』てなってくるわけ」などと不正審判を指示しているとみられる音声を、告発状を出した「日本ボクシングを再興する会」が8日に公開。しかし、10日付サンケイスポーツによると、同氏自身は「何時間も話しているうちの一部分を切り取って悪意を持って伝えている。不正は一切ない」と反論している。
こうした釈明が「モーニングショー」で紹介されると、長嶋さんは「自身に悪意はないんですよ」と推測し、
「正直言って、僕には悪人に見えないです。泣いたり、お茶目な部分も見え隠れしたりするし。強権発動的に『こうなんだ』と言ってきたコーチ・監督は、僕も幼少のころからスポーツの世界にいたのでたくさん見ています。こういう方々たくさんいました。だから僕は半分くらい理解している。でも時代がそうじゃない」
との見解を述べた。山根氏の発言は本心から出たものだと受け取っているようだ。
さらに長嶋さんは、
「(連盟を)私物化した体制を敷いてきた中で、自分は何をしてもいいという『全能感』を錯覚して持ち得るわけ。それでずっとやってきたから、今すごく困惑されていると思うんですよ。『なんで世間はこんなに騒ぐんだろう、奈良判定ごときで』とか『お金の問題で』とか」
と山根氏の胸中を推測した。
ただし「責任がないとは言ってない」として、厳しく糾弾もしている。