日本ボクシング連盟の会長職の辞任を発表した山根明氏が、報道陣に対して指2本を突き立てた。
この行為について、「ナゾのピースサイン」と報じるメディアも出たが、ツイッターでは、「会長だけでなく連盟理事も、つまり計2役職を辞める」という意味だと指摘し、「メディアのバカさ」を批判する声も寄せられた。のちに山根氏本人が「2本指サイン」の真意を説明することになるのだが、その「答え」は......
小倉智昭「何の意味も持たないでしょ」
山根氏は2018年8月8日、大阪市内で「辞任」を発表した。何を辞任するのか、など詳細は説明せず、記者らの質問にも答えなかった。
会見後、自宅へ移動した山根氏は報道陣が押し寄せる中、右手の指2本(人差し指と中指)を立てながら車から降りてきた。仕草としてはピースサインと同じだ。記者らからは「そのサインは、会長と理事を辞めるということですか?」と質問が飛ぶ。山根氏は再度、2本指を立てる。
この場面を受け、
「山根会長、自宅前でピースサイン」(8日夕、サンケイスポーツ)
「山根会長ナゾのピースサイン、報道陣の質問には無言」(同、日刊スポーツ)
といったニュース(ネット版)が流れた。
翌9日朝のテレビの情報番組でも、字幕で、
「山根会長に『辞任の意味』をただすと『ピースサイン』」(ワイド!スクランブル第1部<テレビ朝日系>)
「山根会長辞任表明 直撃に無言でVサイン」(とくダネ!<フジテレビ系>)
などと表記されていた。ナレーションでも
「勝利のVサインで車を降りて、その後...」(とくダネ!)
などの表現がされていた。
スタジオ陣のやりとりを見ると、「ワイド!スクランブル」では、サインの意味について、「会長と連盟理事の2役職を辞めるのか」という質問に対する答えで、2役職を辞めるという意味にも受け取ることができると指摘。「とくダネ!」ではMCの小倉智昭氏が「あのVサイン、何の意味も持たないでしょ」と感想をもらしていた。
会長も理事も辞める、という意味だった
こうした報道を受け、ツイッターには9日正午までに、
「(記者からの辞任する役職に関する質問に)両方という意味でチョキを出したように見える。だからピースサインじゃない。報道もいい加減だ」
「2種類の職を辞任するんだ、と即座に感じたが、わざとらしくピースサインと勘違いするメディアのバカさが目立った」
などと、「ピースサイン」報道を批判する声が相次いで寄せられた。勿論、中には「ピースサイン」をしたと理解し、
「笑ってしまった」
「アタマおかしいの?」
と、山根氏が状況に合わない反応を示したと受け止めた人もいた。
9日午後になり、毎日新聞(ネット版、14時近く)が山根氏本人に話を聞いた内容を報じ、指2本を立てたことについて「会長と理事を辞めるのかと聞かれたので、その2つという意味だった」と説明したことを伝えた。その後、民放各局でも、同種の報道が流れた。結局、「ピースサイン」や「Vサイン」ではなく、連盟の会長だけでなく、理事も辞める、ということを意味した仕草だったことになる。
山根氏が会長だけでなく理事も辞めるとなると、連盟の新体制はどうなるのか。しばらく混乱が続きそうだ。