40年前の選挙では?
一方、先行きが見えないのが翁長氏を支えてきた「オール沖縄」勢力だ。翁長氏は社民党、沖縄社会大衆党、共産党などの支援を受けて14年に初当選。これら県政与党は、翁長氏の再選を目指す方針を確認しており、翁長氏が出馬を表明した場合は一騎打ちになるとみられていただけに、翁長氏の死去で態勢の根本的な立て直しを迫られる。
これまで翁長県政を支えてきた謝花喜一郎副知事や、辺野古移設に反対してきた稲嶺進・前名護市長、糸数慶子参院議員らの名前が後継候補として取りざたされるが、翁長氏ほどの求心力は期待しにくい。ただ、「弔い合戦」として県民の同情が集まる可能性もある。
過去の沖縄県知事選で「弔い合戦」になったことはないが、知事が健康上の問題で任期を満了できずに辞職した例はある。第2代知事の平良幸市(たいら・こういち)氏だ。1976年に初当選したが、78年7月に出張先の東京で脳血栓で倒れ、入院を経て11月に辞職した。
平良氏は革新系だったが、同氏の辞職を受けて行われた県知事選では、自民・民社の推薦を受けた西銘順治(にしめ・じゅんじ)氏が革新系候補を破って当選。革新陣営としては、平良氏の無念を晴らすことができなかったとも言える。