「経済効果」研究のエコノミストも「サマータイムより...」
サマータイム導入で経済効果を見込めるとするマクロ経済分析レポートですら、健康被害のリスクには警鐘を鳴らしている。第一生命経済研究所の永濱利廣・首席エコノミストが8月8日に発表したレポートでは、サマータイムによる娯楽・レジャー・外食等への出費増を通じて約7532億円の経済効果が生まれるとすると試算している。それでも、この経済効果には(1)早く帰宅して自宅や娯楽施設で電気を使用するなどでエネルギー節約効果が削減される(2)人体の体内時計が狂うことで睡眠不足になり、労働者の生産性が低下する可能性もある、といった条件つき。結論は
「東京五輪に向けた暑さ対策が目的なのであれば、効果が不透明でシステム等のトラブルリスクの伴うサマータイムを導入するよりも、競技時間の変更等で対応するほうが国民の理解を得やすいものと思われる」
といったもので、森氏の提言には否定的だ。