「僕はカリスマ山根と呼ばれてる」――この強烈な言葉とともに、日本ボクシング連盟の山根明会長がカメラの前に姿を現したのは2018年8月3日だった。以来、メディアは彼のもとに殺到、よく言えば厳しく追及、悪く言えば半ばおもちゃに。8日に辞任を表明するまで、確かに日本中の熱視線を集める「カリスマ」として、世間の話題をさらった。
今回、J-CASTニュース編集部では、この間に飛び出した山根会長の名言・迷言を、語録としてまとめてみた。そこから見える、「カリスマ山根」の横顔とは――(以下、日付は放送日、掲載日。実際の発言日とは異なる場合がある)。
「世界の~」「歴史の~」が大好き
山根会長といえば、その強烈な自尊心をうかがわせる発言がなんといっても印象的だ。
「僕は世界からカリスマ山根と呼ばれてる男ですから」(3日、スッキリ)
「自慢話になってしまうが、世界の山根、カリスマ山根、アマチュアボクシングの世界のコーチ、監督に聞いてくれたらええ。山根の名前はとどろいとる」(5日、週刊朝日)
冒頭にも触れたとおり、自ら名乗った「カリスマ山根」はたちまち話題になり、その代名詞ともなった。
その源泉は、「週刊朝日」のインタビューでの言葉からすると、世界のボクシング界でも自分が一目置かれている、という自負が大きいらしい。テレビ出演時などには実際に、国際ボクシング協会(AIBA)の幹部から送られたという高級腕時計をつけて登場することも多かった。
ただ、そのAIBAも現在、国際オリンピック委員会(IOC)から厳しく追及されている。
「山根明を支持している全国の皆さんにはっきりしなくては駄目という決心から、私は前に出ます」(3日、とくダネ!)
「選手たち、高校生にも私のファンがおるんですよ」(8日、ミヤネ屋)
海外だけではなく、国内にも自分の「ファン」が大勢いる、ということにも、疑いを持っていないようだ。
「私は、歴史に生まれた、歴史の男でございます」(7日、報道陣に対して)
辞意を表明する前日、報道陣に答えた「歴史の男」発言も、強烈なインパクトがあった。よく読むと、何が言いたいのか今一つ定かではないが、なんとなく勢いがあって妙な説得力があるのは、「山根語録」の一つの特徴だろう。
「俺は歴史の男や!」(2016年のカラオケ中の発言)
ワイドショーで発掘された過去の音源でも、同じような言葉が。「歴史の男」というのは、相当お気に入りのフレーズだったらしい。
「山根明は......」(多数)
発言を強調したいときなど、しばしば一人称がフルネームになるのも印象的だ(男山根、山根会長などのパターンも)。一人称が自分の名前なんて、男性では歌手の矢沢永吉さんくらいしかいまい。ただツイッターなどでは、「女の子みたい」などと冷やかされてもいた。