沖縄県の翁長雄志(おなが・たけし)知事が2018年8月8日、すい臓がんのため入院先の浦添市内の病院で死去した。67歳だった。沖縄タイムスなど各メディアが8日夜、報じた。
翁長氏は米軍普天間飛行場(宜野湾市)の名護市辺野古への移設阻止を掲げて14年に初当選。国との法廷闘争を繰り返し、18年7月27日に埋め立て承認取り消しの手続きを進めることを表明したばかりだった。11月に予定されている県知事選への出馬を明言しないままでの死去で、移設阻止を目指す「オール沖縄」勢力にとっては後継の候補者選びが急務になる。
県知事選出馬前、かつては辺野古推進派だった
翁長氏は那覇市議、沖縄県議、那覇市長を経て県知事に当選。1985年から自民党に所属し、県連幹事長も務めるなどして辺野古移設を推進してきたが、県知事選出馬までに辺野古移設阻止に主張を転換していた。
18年4月に人間ドックを受けた際に異常を指摘されて検査入院。進行度が「ステージ2」の膵がんが見つかったため摘出手術を受けたことを5月に明らかにし、再発を抑える治療を続けてきた。
県議会の6月定例会や6月23日の沖縄戦没者慰霊式典にも出席するなど公務を続けていたが、ここ半月ほどは健康問題が公務に影響することも多かった。7月26、27日に札幌市で行われた全国知事会議や、8月2日から都内で予定されていた国への要請行動は、体調や治療優先を理由に出張を取りやめていた。最後にメディアの前に姿を見せたのは承認取り消しの意向を表明した7月27日だった。